Vol.54 前田美波里さん

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Vol.54 前田美波里さん

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インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼ 各界でご活躍の方々に、家、住まいに、住み替えにまつわるお話をうかがいました。インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼

Vol.54 2016/12/20更新

今の仕事を続けている以上、都心で暮らすことが必須だと思っています。 前田美波里さん

今の仕事を続けている以上、都心で暮らすことが必須だと思っています。前田美波里さん

profile
前田美波里(まえだびばり)
1948年神奈川県生まれ。15歳で舞台デビュー。66年の資生堂夏のキャンペーンで一躍脚光を浴びる。『アプローズ』『コーラスライン』『ウェストサイドストーリー』など数多くのミュージカル舞台に出演するほか、近年はバラエティー番組やドラマでも活躍。2009年3月第30回松尾芸能賞、優秀賞を受賞。

赤坂の同じマンション内で、三度も引っ越しているという前田美波里さん。それほど、今のマンションの環境も部屋の作りも気に入っているそうです。「住まいは仕事に合わせて選ぶべき」と考える前田さん。そのこだわりや、現在の住まいに至るまでの履歴などを伺いました。

子ども時代は、逗子の洋館や海に近い祖父母の家で過ごす

前田美波里さんの写真1
子どもの頃を振り返る前田美波里さん

私の生まれ故郷は、神奈川県鎌倉市。父は米海軍所属の軍人でした。私を身ごもった母は、帰国する父と共にアメリカに渡るつもりだったのですが、祖父母に猛反対され、父との別れを決意したようです。日本に残ったものの、その一連のいざこざで祖父母に勘当された母は、鎌倉の実家を出て、逗子に住まいを借りました。私はそこで生まれました。
この逗子の住まいは、新聞社にお勤めの方が所有する立派な西洋館の敷地内にある離れでした。家主のご家庭には3人の息子さんがいらっしゃって、広いお庭で一緒に遊んでいただいたり、お買い物に行ったり、皆さんが何かと幼い私をかわいがってくれたことは、今でも記憶に残っています。私の祖父母はといえば、いざ孫が生まれてみれば、かわいくなったのでしょう。母に「実家に戻ってくるように」と言っていたようです。
私が4歳くらいのときに祖父母が引っ越しをしました。私を女手ひとつで育てていた母は毎日働きに出ていましたから、この機にそれまで住んでいた家を離れ、祖父母の家まで歩いて行ける距離にある家を借りました。そのため、私は母がいない間、祖父母の家で過ごしていました。祖父母の家は、江ノ電という路面電車の近くにありました。江ノ電は、家々の間を縫うようにして走る電車なのですが、毎朝、祖母が迎えに来ては一緒に線路沿いを歩いたものです。
当時、祖父母の家は鎌倉の坂ノ下という場所にありました。家から小道を抜けるとすぐに海が広がっていました。子どもの頃過ごした家の中で、そこが一番印象に残っています。
中学を卒業して、私と母は上京します。芸能界のお仕事をするには、やはり鎌倉は遠かったんですね。最初に住んだのは、母が探した四谷のアパートでした。少しして、遠い親戚が建てた本郷三丁目のマンションの一部屋を借りることになりました。
でも、母も私も働いていて、互いの生活サイクルも違っていたうえ、私はのちに結婚するマイク眞木さんの近くにいたい!という思いが強くて。まるで家出をするように母と暮らす家をあとにして、マイクさんの住まいがあった港区赤坂に家を借りたのです。

赤坂の同じマンション内で三度の引っ越し、念願の部屋へ

前田美波里さんの写真2
デビュー後の生活を思い出す前田美波里さん

母と暮らしていた本郷三丁目の家を出て以降、現在に至るまで私はずっと赤坂で暮らしています。まず、マイクさんと結婚するまでの少しの間、一人暮らしをしていたのは、赤坂の芸者さんが所有する家の庭先にあった別宅でした。和室一部屋とお風呂と台所があるだけの小さい住まいでしたが、芸者さんと同じ敷地に住むことなどなかなかありませんから、興味深い経験でした。
その後、20歳のときにマイクさんと結婚。まず住んだのは、赤坂にあったマイクさんのご実家です。その後、すぐ近くのマンションを借りて暮らし、そこで長男も生まれました。
しかし、マイクさんと28歳のとき離婚。一人、家を出て原宿に家を借りましたが、そこで暮らしたのはほんのわずか。どうもしっくりこなくて、やはり赤坂に住みたいと思い、赤坂でマンションを購入することにしました。
そのときは「仕事場である劇場に通いやすいこと」と「日当たりが良いこと」の2つの条件をクリアしていれば、一人暮らしですから広さは多少妥協してもいいかなと思っていました。ですが仕事柄、年々衣装が増えていくので手狭になってしまい、別の物件を探すこととなりました。
実は、マイクさんと結婚当初、赤坂に気になっていたマンションがあったのです。ですが、当時まだ20代前半の私たちが買えるような価格の物件ではなかったので、断念しました。でも、私の中には、「いつかはそのマンションに住みたい」という思いはずっとあったのです。そこで、この機に憧れだったそのマンションへ引っ越すことにしました。
私はこの引っ越し以来、今も同じマンションに暮らしています。でも、同じ建物の中で、三度も引っ越しをしているんです。
最初の物件は角部屋で、間取りも一目で気に入りすぐに購入をしました。ところが、実際住んでみると北向きで、日当たりが良くありません。太陽の光こそ私の原動力と言っていいほど、私にとって日当たりは最優先の条件でしたから、購入を早まってしまったことを後悔しました。そんな折、同じマンション内で燦々と光が入る、とても心地のよい部屋が空いたのです。運よく、これまで住んでいた部屋を買ってくれる方がいたため、売却をして移ることにしました。直前の部屋はすぐ購入し少々苦い思いをしましたから、今度はまず賃貸として借りて住んでから購入を考えることにしたのです。実際、暮らし始めると日当たりもいいし、東京タワーも見えて最高でした。ところが、数ヵ月するとなんと目の前で、大きな建物の建設工事が始まったのです。建物が建つとなれば、当然日差しも遮られてしまうので、この物件の購入はせずに、また別の部屋へ移りました。そして三度目の正直で出会ったのが、現在も暮らす部屋です。

生活の中心は舞台。だからこそ暮らすのは、劇場に通いやすい都心

前田美波里さんの写真3
現在の暮らしを語る前田美波里さん

現在住む部屋はたっぷり日差しが入ることはもちろん、リビングの広さも十分です。朝は鳥のさえずりで目が覚め、夜はライトアップした東京タワーや東京ミッドタウンが望める最高のロケーション。都会の醍醐味と、都心とは思えない自然とが両立した貴重な物件です。もう長らく住んでいますが、今でもつくづく「いい部屋」と実感します。
念願だったこのマンションに住み、もうかれこれ30年以上になりますが、これまで、ここから離れたいと思ったことは一度もありません。それほど、この立地が気に入っています。
普段、家でも芝居のセリフを覚えたり、踊りや歌の練習をします。セリフを覚えるときは、和室にこもりますが、踊りや歌はリビングで練習をします。ですから、家具はあまり置かず、広々とした空間にしています。リビングには大きなテーブルを置いて、その上いっぱいに資料を広げて舞台の練習をするのが私の習慣になっていますね。
私の生活の中心は仕事です。だから、家は仕事に通いやすい場所、仕事のモチベーションが上がる環境であることが大切だと思っています。舞台の稽古やドラマの収録となると朝が早かったり、夜遅くなることもしょっちゅう。そうなると、すぐに現場に行き来ができる都心でなければ身体ももちません。交通の便がよく、さらに都心にありながらもリラックスできる今の家は、いい仕事をするためには必要な場所ですね。
今、このマンションは耐震のために補強工事をするか、はたまた建て直しをするかが検討されているのです。そのため売却をして出てゆく方もいらっしゃるのですが、私は何とかここに残りたいと考えています。30年以上も住んでいますし、同じ建物内で3回も移動するほど気に入っているマンションですから、ここを終の棲家にしたいですね。

こぼれ話

お部屋の中には、舞台の公演のお祝いにいただいた胡蝶蘭をたくさん飾っています。写真は、2016年10月に亡くなられた俳優の平幹二朗さんからいただいたものです。この胡蝶蘭は、もう7∼8年続けて花を咲かせています。今年は一輪、咲きました。舞台をご一緒した平さんには、たくさんのことを教わり心底感謝しています。この花を見ると、平さんのことを思い出します。もう一度、一緒にお芝居をしたかったですね。

INFORMATION

前田さんが出演する舞台、『The レビュー「カーテンコールをもう一度!」』が1月5日より上演予定。レストラン・シアター「カーテンコール」を舞台に伝説のレビューを再現するというストーリー。生バンドによる演奏のもと、共演の金井克子さん、中尾ミエさんと共に、往年の名曲を歌って踊ります。

■日程:2017年1月5日(木)∼9日(月・祝)
■会場:天王洲 銀河劇場
■チケット:2016年11月3日(木・祝)から各プレイガイドにて発売

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