Vol.9 高木美保さん

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インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼ 各界でご活躍の方々に、家、住まいに、住み替えにまつわるお話を伺いました。インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼

Vol.9 2013/2/27更新

『流れに身を任せていると、いい住まいに辿りつくんです』 高木美保さん

『流れに身を任せていると、いい住まいに辿りつくんです』高木美保さん

profile
高木美保(たかぎみほ)
1962年、東京都生まれ。映画『Wの悲劇』で女優としてデビュー。現在は、タレントとしてバラエティーや情報番組に出演するほか、執筆や講演活動など幅広く活躍。1998年に栃木県那須塩原市に移住。現在は、那須と東京を行き来する生活をおくる。

「自然の中で暮らす」ことを選び、15年前に栃木県の那須高原に移住した高木美保さん。「自然共生」と「エネルギー自給」にこだわったというご自宅ができるまでのエピソードをうかがいました。

地元と東京の2社による実験的な家づくり

高木美保さんの写真1
那須のご自宅について語る高木美保さん

15年前、「自然の中で暮らしたい」と思い東京から栃木県の那須高原に移り住みました。
私は生まれも育ちも東京で、那須に家を建てる前はずっと都会暮らし。でも、自然豊かな両親の故郷に幼い頃からよく行っていたからなのか、「田舎暮らし」には抵抗も違和感もありませんでした。
私が家を建てる上でもっともこだわったのは「環境共生型でエネルギーを自給できる」ということ。省エネやエコが定着してきた今では珍しくありませんが、当時はまだ、自然エネルギーを生かす志向やノウハウを備えている住宅メーカーは数えるほど。だから、私の家づくりは、まずは対応できるメーカーを探し出すことから始まりました。
やっと出会ったのが東京の施工業者。使用する木材や塗料などの質にもこだわり、環境への配慮はもちろんシックハウス症候群対策、耐震についてもしっかりとした考えを持っていました。ただ、太陽光パネルを搭載して発熱や発電をするという技術を持っていなかった。それでは困るので、やはり太陽光発電に精通している施工業者を探すことになりました。すると、その点には優れた会社が地元で見つかったのですが、こちらには満足の行く建材がなくて…。
両社のいいとこ取りをした1社があればいいのですがどうしても見つからず、仕方がないので、この2社に共同で建ててもらうことにしたんです。本来であればどちらも、自社ですべてを担ったほうが効率も儲けもいいわけですから、すべてを賄えるような新たな提案もしてきてくれました。でも、そこは私のこだわりですから、どうしても譲れない。互いに知恵を出し合い、手を取り合って1軒の家づくりに着手してもらうことにしました。建設会社にはご面倒をおかけしたと思いますが、こうしないと私の求める「家」を建てることができなかったんです。

地元の業者だからこそ提案できる、その環境と共存するためのアイデア

高木美保さんの写真2
家づくりについて振り返る高木美保さん

家づくりを進めていくうえで、地元の施工業者に関わってもらって、本当に良かったと思うことは多々ありましたね。東京の業者さんですと、いつ頃どれくらい積雪があるかとか、冬になると強い風が吹きつけるといった那須特有の気候を知らないでしょう? 地元の業者さんなら、この土地の環境や特性を熟知している。だからこそ、それを踏まえた提案ができるんです。
例えば勝手口。私の家は玄関を北側に置きましたが、この地域では冬に北側からものすごく強い風が吹くので開け閉めする際にあおられてしまう。そこで、家の東側に勝手口を設け、その北側に強風をさえぎる「風よけの壁」を設けるアイデアを地元の施工業者さんが出してくれました。
他にも「この位置に窓を備えれば夏は葉が生い茂って日陰になり、冬は葉が落ちるから燦々と陽が入り温かい」とか、「和室を作るのであれば一番南に。そうすれば畳が熱を蓄えるので部屋が温まり暖房の使用量も抑えられる」など、環境とうまく付き合い利用するアイデアを出してくれましたね。それは長年、地元に住んで自然と共存しているからこそ身に付いた知恵や技なのだと思います。都会の施工業者さんだけでは、快適でありながらこの土地の自然と共生する家づくりは叶えられなかったのかもしれません。

流れに任せることで出会った自分の住むべき場所

高木美保さんの写真3
住まいとの出会いについて話す高木美保さん

仕事の都合上、主人は都内の賃貸マンションで暮らしているので、私は那須と東京を行き来する生活をしています。那須の家にも満足していますし、この生活に不満があるわけではありません。でも、ときどきいろんなところで暮らしてみたくなって、「ハワイで数か月暮らしたいな」「世界中を転々としながら仕事ができないかなぁ」なんて、本気で思ったりもしていますよ(笑)。
実は那須に移り住んだときもそうですが、強いこだわりを持って場所を選んだわけではなく、なんとなく流されてきたというのが本音。東京にいたころも自分の理想を叶える部屋を頑張って探したということはないです。というのも、そろそろ引っ越ししたいなとか契約期間が切れるなと思っていると「ここ住まない?」と知人に紹介されたり、田舎暮らししたいなと思ったときも「こういうところがあるよ」と、不思議と情報が集まってきたんです(笑)。「じゃあ、そうしようかな」って、その話にのって流されてみると、ピタッといいところに辿りついちゃうんです。
家を探したり購入したりするときって、業者の方はいろいろとデータを見せてくれたりするけれど、結局「家は出会いです」なんて言うじゃないですか。まさにそれですよね。信念を貫き通し過ぎちゃうと、いい出会いも逃してしまうかもしれないと思うようになりました。
最近、知人がアフリカ旅行に行った話をしてくれたのですが、それが、もう興味深くて!
その話を思い出しては、「ここに住んだら楽しいだろうな」「次に住む場所はここかも!?」なんて、想像しています。でも、主人に「2∼3年アフリカに住まない?」って言ったら、「僕はいいです」って即、断られましたけど(笑)。

こぼれ話

タレント活動をする傍ら、那須では田や畑を借りて農業にも取り組んでいるという高木さん。また、那須で生活することで、都会の忙しさや無機質さに気づいたのだそう。
「自然の中では、曲線が当たり前。でも、東京ってまっすぐなものばかりなんですよね。建物も道も、人の姿勢も(笑)。時間にも環境にももっと余裕があったらいいと思います。」

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