Each Story 社員を知る

業務の本質を
理解することで
見えてくること。

小林 可奈子

Kanako Kobayashi

流通営業部 2017年入社

お客様や他社不動産会社様からの
お問い合わせに一番はじめに対応する。
初期対応は信頼構築のためにも重要だ。
住友不動産販売の事務職は、企業の顔だといっても過言ではない。
しかしながら、時にはお怒りの連絡をいただくこともある。
大切なのは、確かな知識を持って、対応していくこと。
お客様を知り、会社を知り、不動産を知る。
ルーティンワークだけにとどまらない、成長とやりがいがある。

営業センターを支え、守る

事務系の職種を目指し、幅広く就職活動を行っていた小林は、川越営業センターに配属されて安堵を覚えた。明るい雰囲気、あたたかさ、話しやすさ、そのすべてが説明会や面接で感じたままだったからだ。「やっぱり、この会社だったら頑張れそう」と改めて思った。事務職がはじめて行う仕事は経理関係。お客様からいただく仲介手数料に対しての領収書を発行したり、営業が使った経費や交通費などの処理を行ったり、営業センター全体の経理業務を担当する。その業務に慣れてきたら、今度は不動産に関する業務を覚えていく。例えば、売りに出される物件は、広告を打ち出し、広く情報を発信していかなければ、よい買主様に巡り会える確率は少なくなる。当社ホームページや不動産ポータルサイトへ掲載することが一般的な方法だが、掲載するためには細かいルールがあるのだ。「築浅」「No.1」といったあいまいな表現は使ってはならない、「3畳以下の部屋」はサービスルームとしての明記をしてはならないなど、読み手が誤解をするような表現をしてはならない。広告掲載するデータをつくるまでは営業の仕事だが、そのデータに不備がないかどうかをチェックすることが事務職の仕事だ。そうやって、住友不動産販売の売却活動の品質を守っていくことがミッションとなる。しかしながら、これまで不動産に触れたことはなく、マニュアルがあるといっても量は膨大。「前途多難かも…」と思った小林に、「分からないことがあったら、遠慮なく聞いてね」と声をかけたのは、教育担当である武井だった。


突然鳴り響いたクレーム電話

もちろん、右も左も分からない頃は、先輩と一緒に業務を行って内容を覚えていくが、武井はどちらかというと「やってごらん」というタイプ。小林は自分で業務を進め、最後の確認を武井にお願いする。そうした安心感の中で、徐々に力をつけることができた。「どうしよう…どうしよう…」と、小林がミスをしてしまい、パニックになっていた時も「こうすれば大丈夫だから、落ち着いて」と声をかけてくれながら、いつだってフォローしてくれた。そうした環境の中で、順調に成長を遂げていった小林だが、ある日、心が折れかけた出来事が起きた。経理業務、広告チェック業務の他に、事務職には一番数をこなさなければならない仕事がある。それは、お客様や他の不動産会社様からくる問い合わせの初期対応だ。メールでの問い合わせも多いが、やはりメインとなるのは電話。全員がぶつかる壁だが、新入社員にとって、電話応対は緊張が高まる。知識がなければ応対は難しいし、お客様を待たせてはいけないというプレッシャーもかかる。「お電話ありがとうございます。住友不動産はん…」「まだ、住んでいるのに、こんなチラシ入れるなんてどうなの?」小林の第一声をかき消すように、電話先のお客様は声を荒げた。「そもそもどうやって、住所とか個人情報を取得しているの!?」間髪を容れず、怒りの声が耳に飛び込んできた。何を言えばいいのか分からない、どうやって話をつなげればいいのか分からない。五月晴れが眩しい昼下がり、小林の頭の中は真っ白になった。

常に「なぜ」と考える

冷静にならなければ、内容も把握できない。そう考えた小林は、とにかく心を落ち着かせ、お客様からの内容を整理することに努めた。お電話は、住友不動産販売が定期的に発信するダイレクトメールに対するクレームだということが分かった。それであれば、対応方法は分かる。「大変申し訳ございません。承知いたしました。ダイレクトメールの送付を中止しますので、お名前とご住所をお教えください」「なんでこっちが、教えなきゃならないの!?そっちで住所把握してるんでしょ!?」「でも、教えていただかないことには特定ができないので…」「だったら、川越市への送付を全部止めてよ!もう一回聞くけど、何でこっちの住所を知ってるの!?」「それは、その…」「そんなことも知らないで送付してるの?とにかく、明日もかけるから、その時までに個人情報の入手方法をすべて答えられるようにしておいて」お客様はそう言うと、ブツリと電話を切った。確かにおっしゃる通りだ。自社の事業を知らないで、お客様に対応できるわけがない。そう感じた小林は、早速武井に相談した。そして、個人情報は本社で一括管理して、ダイレクトメールを送っていることを教えてもらった。「そういう事だったのね。分かったわ。でも、こちらが廃業したことを知って、すぐに売れっていう案内はおかしいんじゃないの?」翌日、宣言通り電話をかけてくださったお客様。詳しく聞けば、経営されていたコンビニが廃業となってしまったようだった。そのタイミングで、ダイレクトメールが届いていたことが事の顛末。「お客様、申し訳ございません。当方としても不動産を所有されている方に定期的にお送りしており、調べているわけではございません。不快な思いをさせてしまったことについてはお詫びを申し上げます」そうして、無事にお客様に納得していただけ、住所を教えていただくことができた。正しく対応することで、お客様が何に対してお怒りなのかが明確に見えてくる。事務職はただ業務をこなすだけが仕事ではない。その業務の本質を知り、理解することで、対応できる幅は随分と広がっていく。「なぜ」を意識付けることで、誰からも頼られる事務職へ。電話に出る小林の声は、今日もいきいきとしていた。

何をするかより誰とするか

大学時代はサービス系の学部に所属し、ブライダルや旅行業界について学んだ。しかしながら、就職活動ではもっと視野を広げたいと考え、業界を絞らずに説明会に参加していた。その中で住友不動産販売に出会い、先輩たちの人柄に惹かれる。また、事務職であれば、ワークライフバランスもしっかり保てそうだと感じた。

誰からも頼りにされる存在に

入社してから感じたのは、事務職とはいえ、専門的な知識が必要だということ。何を聞かれても、きちんと正しい答えを返すことができる。そうなってこそ、本当の意味で周りをサポートできる存在になれると考える。「小林さんに聞けば分かるよ」そう言ってもらえる事務職を目指していく。