中学生の時からゴルフをはじめましたが、大学で入ったのは日本有数の伝統を誇り、プロゴルファーを多く輩出してきたレベルの高いゴルフ部で、私より上手な人がたくさんいました。レギュラーになるのは難しい。しかし、大学のゴルフの試合は主に団体戦です。チームが強くなるため、私にできることもきっとある。担当したのは、プレイヤー兼マネージャーのような主務という役割でした。試合に向けた練習では、レギュラー選手たちがどのホールでドライバーをフェアウェイに乗せたか、パーで上がったのかボギーだったのかといったスコアをパソコンで集計していきました。合宿や練習ラウンドの結果から平均値を割り出すと、パーで上がることが難しいホールも見えてきました。

私の集めたデータをもとに、ホールによっては堅実にボギーを狙うなど、チームが勝つための戦略を練っていったのです。また、部員の様子を見ながら、チームをひとつにまとめるのも私の役割でした。ライバル同士でもある部員たちの間に入って、意見を調整することも多くありました。そんな裏方の仕事が実を結んだのが、4年次の大会。事前に立てたコース戦略とチーム皆の努力で、19年ぶりに全国大学ゴルフ対抗戦、男女同時優勝を果たすことができました。この時に感じたのは、細かいことを積み重ねることで、組織全体を強くできたやりがい。目標に向けてチームをまとめるため、部員の気持ちを思いやることができたのも、自分にとっては貴重な経験でした。

就職先として不動産業界を選んだ理由は単純で、ゴルフ部の先生から勧められたからでした。いくつか企業を見ていく中で、当社に感じた魅力は組織として全員が同じ方向を向いている印象を受けたことです。営業センターの事務の仕事は、売上の入金やシステムへの入力、帳簿記入、契約書類のチェックなどです。営業センターには事務の先輩が1人いるのですが、仕事が速く、ミスもなく、所長からも頼られる存在です。当然、その先輩に業務の面ではまだまだ追いつけないですが、違う面で貢献できていることはあると感じています。それは、営業センターの雰囲気づくりです。数字を追いかけている営業は時に、余裕がなくなったり、ピリピリしてしまうことがあります。

今の自分にできることとして、少しでも雰囲気を和ませられるよう、働きやすい環境を作れるよう、周囲に声をかけたり、声をかけられた時は笑顔で応えるようにしています。それによって、ちょっとした用事も気軽に頼みやすくなれば、チームとしての一体感につながるはずだからです。 各営業センターの事務が入力する売上は、本社の経理と連動して、最終的には世の中に発表される決算のもとになる数字です。これはほんの一例ですが、細かい仕事も含めて、すべての業務が住友不動産販売という組織の目標達成につながっている。そのことをいつも頭に入れて、日々の業務を素早く丁寧に進めるように意識しています。

入社1年目の今年は、ひと通りの仕事を覚えることに力を入れてきました。早く独り立ちできるよう、真っ白なノートを使うのではなく、コピーした書類にメモをしてファイルにまとめ、インデックスもつけて自分だけのマニュアルを作成しました。こういった書類作成の工夫はゴルフ部での経験が生きているかもしれません。基本的なことは身につけてこられたので、これからは自分なりのプラスアルファも盛りこんでいきたいと思っています。

事務の仕事は、プライベートとの両立がしやすいのも特徴です。時間を活用し、会社の研修を受けながら勉強して宅建の資格をとりました。仕事以外の時間で知識を吸収し、不動産の理解が深まると事務の仕事も変わって見えてきます。もっと勉強を続ければ、書類と図面が同じかどうかといった表面的なチェックだけでなく、深いところでの間違いに気づくこともできるはず。半年後の試験を目指して、今はファイナンシャルプランナーの勉強もはじめています。