【住友不動産販売】不動産流通市場動向　2022年（4～9月期）

不動産コラム

中古住宅に関することから、マクロ経済に至るまで、
皆様のお役にたつ情報を経済的な観点でレポートします。

中古住宅に関することから、マクロ経済に至るまで、皆様のお役にたつ情報を経済的な観点でレポートします。

【vol.218】不動産流通市場動向　2022年（4～9月期）

Ⅰ．首都圏・不動産流通市場動向　2022年4－9月期

東日本不動産流通機構によると首都圏の中古市場は、成約件数は全ての物件種別で減少しています。成約価格はすべての種別で上昇しており、マンションの成約価格は10 年連続で上昇しています。

①中古マンション、成約件数は減少、成約価格は10年連続の上昇
22年4－9月期の首都圏中古マンションの成約件数は、17，414件（前年比△7．2％）と減少しています。成約価格は、4，305万円（同＋11．3％）と10年連続で上昇しました。

②中古戸建、成約価格が大幅上昇
中古戸建の成約件数は6，666件（前年比△12．3％）と減少しました。成約価格は3，768万円（同＋9．8％）と大幅に上昇しています。

③土地の成約価格、2年連続の上昇
土地の成約件数は2，265件（前年比△27．4％）と減少に転じました。成約価格は3，396万円（同＋15．0％）と2年連続で上昇しています。

出所：(公財)東日本不動産流通機構　「マーケットウォッチ」

Ⅱ．近畿圏・不動産流通市場動向　2022年4－9月期

近畿圏の中古市場は、成約件数がマンションで増加していますが、中古戸建、土地では減少しています。成約価格は全種別で上昇しています。

①中古マンション、成約価格が2年連続で上昇
近畿圏の中古マンション成約件数は、8，279件（前年比＋1．9％）で、2年連続で増加しています。成約価格は2，652万円（同＋6．8％）で、2年連続で上昇しています。

②戸建住宅の成約価格、2年連続の上昇
戸建住宅の成約件数は5，130件（前年比△2．4％）で、減少に転じています。成約価格は2，256万円（同＋3．8％）で、2年連続で上昇しています。

③土地、成約件数は減少、成約価格は上昇
土地の成約件数は3，130件（前年比△12．1％）と、減少に転じています。成約価格は2，280万円（同＋16．0％）で、3年連続で上昇しています。

出所：(公社)近畿圏不動産流通機構　「Real Time Eyes」

Ⅲ．新築マンション市場動向（2022年4－9月期）

①首都圏の新築マンション供給戸数、減少に転じる
続いて新築マンション市場動向です。22年4月から9月までの供給戸数は12，271戸（前年度比△4．2％）と、昨年から減少に転じました。平均価格も6，333万円（同△5．5％）と下降に転じています。

②近畿圏も供給戸数は前年度比△9．5％の減少
近畿圏の供給戸数は7，553戸（前年度比△9．5％）と、昨年度より減少となりました。平均価格は4，567万円（同＋0．6％）で3年連続の上昇となりました。

出所：㈱不動産経済研究所

③新築マンションと中古マンションの価格乖離（4－9月期）
続いて、中古マンションと新築マンションの価格面での比較です。
首都圏で新築マンションと中古マンションで最も乖離率が高かったのは03年で51．2％、金額では約2千万円の差が開いていました。反対に最も差が縮まったのが22年で32．0％、金額は約2千万円の差でした。03年と20年の金額の差が変わらないのは、価格が上昇したためです。