不動産ニュース

24年はアジア太平洋の投資市場活発化

ーESG不動産に優位性もー

　コリアーズ・インターナショナル・ジャパンは、24年の不動産投資の動向に関する調査のレポートを公表した。金利に関する見通しの不透明さが後退して、価格は調整されて売り手と買い手の間にある価格差が縮小傾向となっていき、インダストリアル・ロジスティクス、オフィス、集合住宅を主として、24年は投資が活発化すると予想した。また、ESGを投資判断の重要とする傾向は強まっており、ESGに適合する不動産に優位性が出てくるとみている。

　コリアーズは、マクロ経済・市場環境が厳しさを増しているため、比較的安定したアジア太平洋地域への不動産投資の増加を見込んでいる。調査では、アジア太平洋地域の投資家の約6割は、経済成長が不動産投資の環境でもプラスに働くと予想。回答者のうち75%が、運用資産の5～20%を将来的に不動産に割り当てる計画としており、現在の64%より増加する見込み。投資するセクターは、安定性と成長性を見込んだインダストリアル・ロジスティクスの資産を優先するという回答が25%で最も人気だった。冷蔵や暗所保管など細分化したニーズもあるという。オフィスは23%、集合住宅/BTRが14%で続いた。

　アジア太平洋地域の調査回答者に、ESGについて尋ねると、「保有資産のESGパフォーマンスを十分に評価」という回答は、前年の20%強から今年は28%まで伸びた。ESG要因が設備投資の意思決定に影響するとの回答も20%だった。また、ESGに基づく売却・取得戦略を導入している投資家は過去最高の25%まで増加していることから、ESGの投資判断への影響は重要性を増したとみている。

（提供：日刊不動産経済通信）