Vol.33 藤吉久美子さん

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Vol.33 藤吉久美子さん

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インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼ 各界でご活躍の方々に、家、住まいに、住み替えにまつわるお話を伺いました。インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼

Vol.33 2015/2/17更新

『限られた条件の中で手を加えていくのも、
暮らしの楽しみ方だと思います』 藤吉久美子さん

『限られた条件の中で手を加えていくのも、
暮らしの楽しみ方だと思います』藤吉久美子さん

profile
藤吉久美子(ふじよしくみこ)
1961年福岡県生まれ。87年にNHK朝の連続テレビ小説『よーいドン』でヒロイン役を演じ、テレビ大賞新人賞を受賞。以後、舞台、テレビ、映画、CMなどで活躍。95年に俳優・太川陽介さんと結婚。現在は中学生の息子さんと3人暮らし。

病院である実家では、多くの人との共同生活。 結婚と同時に、ご主人がすでに建てていたという 一軒家での暮らしがスタート。普通とは少し違う 生活スタイルを体験してきた藤吉久美子さん。 これまでと今の暮らし。そして今後のプランは?

病院とつながる家で過ごした子供時代。食事は、長テーブルにみんなで並んで

藤吉久美子さんの写真1
実家の様子を思い出す藤吉久美子さん

実家は福岡で代々産婦人科医院をしており、私の祖父も父も医者です。自宅兼病院なので、私たちの暮らす部屋と病室は廊下でつながっていました。看護師はみなさん住み込みで働いていましたから、一つの建物の中で、私たち家族だけでなく多くの方と一緒に暮らしていました。台所も共有スペースで患者さんたちの食事も、病院の従業員や私たち家族の分もまとめてお手伝いの方が作ってくれていました。多いときには30人前くらいは作っていたんじゃないでしょうか。私も学校から帰るとよく手伝いをしました。食事も看護師さんやお手伝いさんたちと一緒にいただくのが習慣だったので、いつも長いテーブルに15∼16人が並ぶように座り、まるで学校給食のようでした。母は仕事で忙しく家にいないことが多かったので、お手伝いの方々が私たち子どもの話し相手にもなってくれましたし、料理も教えてもらいました。いろいろ面倒を見てくれたことは、今もよく覚えています。
我が家は、家族だけが暮らす家ではなく多くの人たちが一緒に過ごす特殊な環境だったのですが、だからこその楽しさや得られたこともあったと思いますね。
病院の経営が父の代になったときには、病棟を建て直すことになったんです。そのため自宅を「曳家(ひきや)」という施工で、解体せずにそのまま敷地の奥へ移動し手前に鉄筋の病棟を建てました。自宅は祖父が昭和初期に建てた木造の日本家屋で、建物は立派な造りではあるのですが冬はとても寒かったですね。木造の家は傷まないように風通し良く造られているので、隙間風が吹き抜けていました。病院を兼ねているため敷地は広く、庭に池があって、枝を伸ばした立派な松が悠々とそびえ立っていました。兄と妹、弟の4人兄弟ですが、子どもだった私たちは毎日冒険をしているような気分でしたね。

結婚を機に一軒家での生活に。取材を通して、たくさんのアイデアも学ぶ

藤吉久美子さんの写真2
今の住まいについて話す藤吉久美子さん

大学生になると実家を出て大阪で下宿生活。その後、東京でのマンション暮らしを経て、結婚を機に今の家に住み始めました。引っ越して今年でちょうど20年になります。
実は今の家は主人が独身のときにすでに建てていたんです。「独身で家を建てる」という方、なかなかいないでしょ?建てた当時、結婚する予定などまったくなく、まだ見ぬ将来の家族を想定して設計したそうです(笑)。今後のライフスタイルを話し合って「一軒家を建てる? マンションにする?」というのが普通だろうと思いますので、私自身も思わぬ展開に驚きました。でも実家は病院と併設でしたし、実家を出てからも下宿やマンション暮らしでしたから、純粋な一軒家に住むのは初めてで嬉しかったですね。
彼なりにとてもこだわって建てた家なのですが勝手口が無かったり、なぜか日中一番陽が差す部屋が寝室だったり…と、気になる点はいろいろあります(笑)。でも、「もっとこうしたほうがいい」と不満を抱えながら生活していてもつまらないですから、今ある空間の中でどんなことが出来るかを考え、少しずつ手を加えて理想の形にすることを楽しもうと思っています。そう思うようになったのは、以前、情報番組の中でいろいろなお宅に訪問するというコーナーを担当したことも理由の一つです。約4年間に渡って、毎週個性豊かな家を取材してきたのですが、どの家にも目からウロコの工夫があって訪問するたびに勉強になりました。立地が悪い中で光を取り込むにはどうしたらいいか、狭い空間をどう有効活用するかなど、決められた条件の中でいかに合理的に生活しやすい空間にしていくか。その探究心とアイデアには何度も驚かされましたし、暮らしを楽しむ術もたくさん教わりました。その取材を通して学んだことは、私自身のその後の暮らしにも影響していると思います。

建て替えか、リフォームか。今後のプランはさまざまな思いが交錯中

藤吉久美子さんの写真3
これからのプランを語る藤吉久美子さん

これまでも勝手口を作ったりクローゼットのパイプを増やしたりと、こまごまとリフォームをしてきました。築20年以上経っているので、今後は水回りなど傷んできたところを取り換えたり、子ども部屋を作るなど大きなリフォームをするのか、はたまた新しく建て直すのか…、どんな方法がいいのか悩みます。主人はもともと「家は一生のうちに3回建てる」「3回目で完璧な家ができる」と言っていて、今の家はまだ発展途上のようです(笑)。
福岡の実家は、今は父と母で暮らしています。きちんと手入れをしていけば価値のある建物なのですが、維持するのはなかなか難しく、こちらも建て替えるかどうかという岐路に立っています。でも、母は少しくらい不便な点があっても思い入れがある今の家が心地いいようです。私自身も生まれたときからの歴史が刻まれた家ですから、取り壊してしまうのは淋しい、さまざまな思いが交錯しているところです。
でも、家を大事にする、住まいにこだわるということは、家族を大事にしてくれているということ。だから、その点においても主人の愛情を感じています。
もし今の私たちの家を建て直すなら、日当たりのいい家にしたいですね。でも燦々と陽が注ぐ家に取材に行ったときに「暑すぎて日焼けする」なんて話も聞きましたから、当たり過ぎもよくないのか、と考えてしまいます。私は木目調のスウェーデンハウスのようなテイストが好きなのですが、主人は日本家屋派です。なかなかまとまりそうにありませんが、住めば都なので、ほっとできて安らげる場所であればいいかなと思っています。

衣装:45R

こぼれ話

写真は愛犬太郎くん。「この子が来てからは子どもが一人増えたような感じです。もともと息子のために飼ったつもりでしたが、一番、主人が可愛がっていますね。でも、主人が息子から子離れ出来ないんじゃないかという心配も秘かにあったので、ちょっとずつ気持ちを犬の方に向けていってもらえればいいかなと。子離れ準備中です(笑)」

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