空き家問題を解決するための一つとして空き家を賃貸に出すことがあります。
空き家を必要があればリフォームや修繕をして貸す、空き家を更地にして駐車場として貸す、
更地にして店舗用地として貸すなどの方法があります。
ここでは、空き家を賃貸する場合のメリット、デメリットをご紹介します。
空き家を賃貸する〈メリット〉
空き家を賃貸することで、
次のようなメリットがあります。
1 金銭的メリット
(1)所有権を手放さないので、自分の資産として存続することになります。
- 親が持っていた家や土地をどうしても他人に譲りたくないという人にとっては賃貸がお勧めです。
(2)賃貸にすれば、賃貸収入を得ることができます。また、毎月の家賃の他、礼金や更新料などを収入として得ることができます。
- ※礼金、更新料は賃貸借契約の内容によります。
- ・礼金…賃貸物件を最初に借りる際、借主が家主に支払うお金。返還義務はありません。
- ・更新料…賃貸の契約期間を延長する際に、借主が家主に支払うお金。返還義務はありません。
(3)空き家を賃貸することにより、下記の金銭的な負担や損失が少なくなります。
- ①賃借人が負担することになる水道光熱費など維持負担が軽減されます。
- ②賃借人が住むことにより急激な老朽化がなくなり、資産価値の急低下による損失が
軽減されます。
2 心理的メリット
空き家を賃貸することにより、「空き家放置の8つの問題点」のうち以下の心配が少なくなります。
- (1)放火されて建物がなくなってしまうという心配。
- (2)劣化により建物や塀が倒壊するという心配。
- (3)ゴミが不法投棄される心配。
- (4)雑草や庭木を放置することにより近隣に迷惑をかける心配。
また、害虫の発生や住み着いた動物により近隣に迷惑をかける心配。
- (5)不法侵入や不法占拠される心配、犯罪の場に使われてしまう心配。
今は事情があり自分が住むことができないので、まずは「空き家」状態になっている家を他人に貸し、将来的に自分が住めるようになったら住むということも可能です。
3 不動産再生のメリット
空き家を賃貸物件として有効活用できるメリットがあります。
空き家を賃貸する〈デメリット〉
空き家を賃貸することで、
次のようなデメリットがあります。
1 金銭的デメリット
(1)賃貸するためにはリフォーム費用・クリーニング費用・設備等の修繕費用などの準備費用が必要になります。
借入れも可能ですが、相応の自己資金の準備は必要です。
(2)借主が退去したら次の借主のために、クリーニング費用や壁紙の張り替えなどのリフォーム費用、設備等の修繕費用がかかる場合があります。
キズやいたみが少なく、設備の故障がない場合は敷金で賄えることもあります。
(3)借主が見つからないと、見込んでいた家賃収入が入らないリスクがあります。
特にローンによる借入れで賃貸経営を行う場合は、このリスクをよく検討しておく必要があります。
2 時間的デメリット
大家としての賃貸管理の手間・時間がかかります。
また、賃貸している間は毎年、確定申告が必要になりますので、書類作成の手間がかかります。
賃貸の規模にもよりますが、手続きや税金に関する知識は持っておくべきでしょう。
税理士などに相談することも検討が必要です。