Vol.12 パンツェッタ・ジローラモさん

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Vol.12 パンツェッタ・ジローラモさん

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インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼ 各界でご活躍の方々に、家、住まいに、住み替えにまつわるお話を伺いました。インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼

Vol.12 2013/5/29更新

『相手に任せるだけではなく、作り手との信頼関係を築くことが大切です。』 パンツェッタ・ジローラモさん

『相手に任せるだけではなく、作り手との信頼関係を築くことが大切です。』パンツェッタ・ジローラモさん

profile
パンツェッタ・ジローラモ
1962年、イタリア生まれ。建築一家の三男として、ナポリ建築大学在学中に亡き父のあとを継ぎ、歴史的建造物の修復に携わる。1988年に来日後は、タレント、モデル、コメンテーター、エッセイストなどと多岐にわたって活躍。男性ファッション誌、テレビCM、バラエティなどにも多数出演する。

イタリアでは建築の仕事にも携わっていたパンツェッタ・ジローラモさん。日本でも数多くの歴史的建造物からモデルハウスまで足を運ぶ、かなりの建築通です。そんなジローラモさんが考える、住まい選びで大切なこととは。

建築に興味を持つようになったのは、幼い頃からの環境も影響

パンツェッタ・ジローラモさんの写真1
イタリアの住まいを振り返る パンツェッタ・ジローラモさん

イタリアの実家では父親が建築会社を営んでいたので、私も建築大学に進み、来日する前までは建築の仕事をしていました。
幼いころから父に連れられて建設現場に行きましたし、今でも建築物や家を見ることにはすごく興味があります。日本でも、京都の寺や歴史的建造物はもちろん、70∼80年代のマンションから最新のモデルルームまで足を運んでは、刺激を受けています。
イタリアでは、父親が建設したマンションに住んでいました。1階が両親、2階・3階には兄……というように家族それぞれが別々の部屋に暮らしていて、一緒に食事をしたいときは母の部屋まで下りてくるんです。食べるものがあるところに集まるんでしょうね。
日本では馴染みのない習慣ですが、イタリアでは家に遊びにきたお客さんに家中、それこそトイレまでくまなく案内するんです。だから家の中はいつもきれい。母は毎日、すみずみまで掃除していたし、床もピカピカ。ワックスを塗った日は面倒でね。乾くまで靴にぞうきんを巻いて、汚さないように室内を歩かなくちゃいけなかったから(笑)。トイレもタイルを貼ったり本を置いたりしてこだわっていました。イタリアは、いつ誰に見せても恥ずかしくないよう常に部屋は片付いている家が多いですね。

イタリアと日本の価値観の違いを実感

パンツェッタ・ジローラモさんの写真2
理想の部屋について語る パンツェッタ・ジローラモさん

日本とイタリアとの文化や考え方の違いを感じることはほかにもたくさんありますが、中でも驚いたのは建物に対する価値観。
イタリアでは時を重ねた建物こそ価値があります。さまざまな変化にも対応できたタフさがあるのだから、これからもずっと使い続けることができる。だから、時を経てきたものほど価値が上がり、価格も高くなるんです。対して日本は逆。新しいものが求められますし、時を重ねて年月を経ると取り壊されてしまったり、価格が下がる可能性も高い。
家だけでなく車などもそうですが、「10年もの」と聞くと日本人は「古い」と感じる人が多いでしょう。でも、私にとっては「新しい」。日本に移り住んで、次第に日本的な考え方も理解できるようになりましたが、来日したばかりの頃はかなりびっくりしましたね。

実は、私の理想はというと古い倉庫。広い1フロアにベッドコーナーやリビングがあって、まるで映画館のような大きなスクリーンでテレビを見て……。鉄筋やコンクリートがむき出しの倉庫なんて住めないという人も多いだろうけど、そういう無機質なところにこそ、高級な絵を飾ったり上質なソファを置いたりするとその価値が引き立つもの。モノのよさを生かした上品な演出ができるんです。相当、寒いでしょうけど(笑)。

自分にとって価値があるものを見極める審美眼が必要

パンツェッタ・ジローラモさんの写真3
住まい選びの極意について話す パンツェッタ・ジローラモさん

私は、建築に興味もこだわりもあるので、家を探すときや飲食店のインテリアを手伝って内装工事の打ち合わせをするときなど、自分の理想や希望を細かく伝えます。
日本人は特に、家を建てるときに「どうしますか?」と聞かれると「住みやすいように……」と答える人もいるでしょ? でも、大切なのはその人にとって「住みやすい」とはどういうことなのか。相手任せではなくて、自分の理想をきちんと持って希望をはっきり伝えたほうがいい。もちろん実現できることとできないことがあるけれど、何も言わないと完成したあとに後悔してしまう。一番大切なのは、作り手との信頼関係。一緒に相談しながら作っていける関係性を築くことが必要ですよね。
それから見る目を養うことも大事。古い物件の中にも高い価値があるものもあるし、もちろん新しい物件にもいいものがあります。家具などもそうですが、価格を下げれば質が下がって長く使えず、結局コストがかかってしまうこともあるし、高価なものを中古で安く手に入れるという手もある。新しい古い、高い安いだけで決めるのではなく、自分のライフスタイルにとって価値あるものが何かを見極める審美眼や知識を身につけることも大切ですよ。

こぼれ話

東京都青梅市に畑を借り、友人と一緒に野菜作りに取り組んでいるというジローラモさん。
最初はなかなかうまく育たず枯れてしまうこともあったそうですが、今では枝豆、茄子、ピーマン、人参、ジャガイモなど、10種類以上の作物を栽培しているそう。

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