Vol.59 室井滋さん

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インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼ 各界でご活躍の方々に、家、住まいに、住み替えにまつわるお話をうかがいました。インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼

Vol.59 2018/9/5更新

“出世マンション”から運命的に導かれた今の住まいまで。家との出合いには不思議なご縁を感じずにはいられません。 室井滋さん

“出世マンション”から運命的に導かれた今の住まいまで。家との出合いには不思議なご縁を感じずにはいられません。室井滋さん

profile
室井滋(むろい・しげる)
富山県生まれ。早稲田大学在学中から多くの自主制作映画に出演、1981年に『風の歌を聴け』で映画デビュー。映画『居酒屋ゆうれい』(1994年)、『のど自慢』(1999年)などで日本アカデミー賞をはじめ映画賞を多数受賞。女優としてだけでなく、エッセイストとしても人気が高く、現在は声優、ナレーターとジャンルを超えてその才能を発揮する。

日本一の持ち家率を誇る富山県生まれの室井滋さん。実家の建て替え、初めてのマイホーム、そして現在のお住まいと3軒の家を建ててきた、ご本人曰く「家のプロ」です。和の雰囲気を大切にした内装や膨大な本を収納できる造り付けの本棚など、自身のこだわりを住まいで実現してきた室井さんに、理想の家との出合い方についてお話を伺いました。

「家を建てたら一人前」持ち家率日本一の富山に生まれて

室井滋さんの写真1
富山の実家の思い出を語る室井滋さん

生まれは富山県で、実家は築100年を超える古い家でした。私は室井家の10代目。商売を営んでいたため、住居部分に加えて作業場やお店、土蔵も2つあるという昔ながらの広い家でした。といってもうちの家が特別大きいというわけではなく、富山の家は他県に比べるとどこも大きいんです。こんなことを言うとちょっとイヤミな感じに聞こえるかもしれませんが、以前、京都の老舗の高級旅館に泊まった時、一緒に行った地元の友達と「なんだか実家にいるみたい。料理はすごく美味しいけど、お風呂は小さいね…」なんて話になったこともあるくらい(笑)。
富山は県民の約8割が賃貸ではなく持ち家に住んでいる“持ち家率日本一”の県(平成27年国勢調査より)で、古くから「家を建てたら一人前」という考え方が根付いているんですね。だから、自然と私も若い頃から自分の家を持ちたいと思っていました。
とはいえ上京して一人暮らしをスタートしたのは、大学近くの早稲田の賃貸アパート、四畳半、もちろんトイレは共同です。ここの大家さんがちょっと変わった方で、悪い人ではないのですが、私の不在時に友達が訪ねて来ると「中に入って待ってたら?」と鍵を開けて勝手に部屋に入れちゃうんです(笑)。あっという間にうちが溜まり場になっちゃって、このままではマズい…と(笑)、引っ越しを考えるようになりました。

通称“出世マンション”からチーズケーキ型の夢のマイホームへ

室井滋さんの写真2
上京後のマンション暮らしについて話す室井滋さん

その時、仲良くしていたご近所の不動産屋さんに引っ越ししたい旨を伝えたら、「いい物件があるよ!」とアパートにほど近い、マンションを紹介されました。実はそのマンション、大学の行き帰りなどに眺めては、「いつかはこんな所に住みたいなぁ」と思っていた、憧れのマンションだったんです。4畳半のアパート以降、畳1畳ずつグレードアップしながら引っ越しを重ねてはいたものの、それらに比べたらかなり贅沢な物件で、家賃も大幅に予算オーバー。一旦は無理だと断ったのですが、不動産屋さんに「この部屋に住んだ人はみんな必ず出世して次の住まいへ移っていくから、絶対に借りるべき!」と大プッシュされて。「あれとこれを節約して…」などと算段して、その部屋を借りることに決めました。
このマンションには30歳ごろまで住みました。2部屋あったので、最初のうちは友達とシェアしたりして家賃を捻出していましたが、次第に女優の仕事も増えていき、自分1人で家賃が払えるようになっていました。まさに“出世マンション”です(笑)。
そんなこともあって、このマンションにはとても愛着があり、その後、別の町に引っ越してからも2年間家賃を払い続け、手元においていたほどです。
でも一方で、「自分の家を持ちたい」という思いも、その頃には強くなっていました。マイホーム実現に向けて具体的に動き始めたところ、28坪ほどの小さな三角形の土地と出合い、家を建てる決断をしました。その少し前に、老朽化した富山の実家をログハウスに建て替えたものの、土地を購入して、建築家を選んで…と一から家を建てるのは初めての経験です。まるでチーズケーキのような土地の形を生かした間取りはもちろん、土壁や木を多用した和風の内装や本や台本をしっかり収納できる造り付けの本棚など、徹底的にこだわりました。こうして完成した思い入れたっぷりの我が家には大満足していて、家づくりの過程を1冊の本『ドレスよりハウス 家を建てて一人前!』(現在、電子書籍化)にしてしまったくらい。にもかかわらず、この後すぐに、とある仕事でお会いした占い師の方からまさかの言葉を聞くことになるのです。

導かれるようにして出合った場所に建てた、現在の住まい

室井滋さんの写真3
運命的に出合った今の家の魅力を語る室井滋さん

「あなたは多重住居(複数の居を構える)運だから、今の家に住み続けることはないでしょう」。
この先ずっと住む場所として建てた念願のマイホームですから、びっくりすると同時に、そうは言っても…と真に受けず、聞き流していました。しかし、そうこうするうちに映画にドラマにと仕事がどんどん忙しくなり、小さな家に衣装や台本が収まりきらなくなって…。広さを求めて、新たな住まいを探し始めました。
ちょうどその頃、自転車で出かけた際に、休憩がてらジュースを飲んだり涼んだりする、お気に入りの場所がありました。どこか懐かしい感じがして、とても落ち着くので、勝手に自分の場所のようにくつろいでいましたが、実際は大きなお屋敷の一角、つまりはよそ様のお宅です(笑)。
物件探しはというと、地域限定のうえ、ある程度の広さが欲しいということもあり、なかなかこれといった出合いがありません。やっぱり難しいかな…と思い始めた頃、不動産屋さんから「まだ一般公開していない物件ですが」と紹介されたのが、なんと! そのお気に入りの場所だったんです。大きなそのお屋敷の、お庭の部分だけ土地を売りたいとのことでした。さすがにその時は、何か運命的な力を感じました。
土地も家も、自分で選んでいるようで、実は呼ばれているのかもしれませんね。“出世マンション”から今の住まいに至るまで、家との出合いには不思議な縁を感じずにはいられません。
前の住まいは小さかったため工夫を重ねましたが、今はある程度広さがあるので、こだわりはそんなに多くありません。猫が6匹いたので、猫も人間も気持ちよく楽しく暮らせること、ベランダと屋上に家庭菜園用のパティオ(中庭)をつくること、前の家と同じくお風呂が1番上の階にあることくらいでしょうか。あとは、珪藻土の壁! 呼吸する素材といわれるように、冬でも加湿器要らずです。寝室など乾燥しているなぁと感じたら、部屋の中に洗濯物を干して、壁を霧吹きでシュッシュッと湿らすだけでOK。朝までお肌もしっとりです。私、自慢できるところがどこもないんですけど、シワもあまりできないし、お肌は元気でちょっと自信あるんですよ。珪藻土の壁は本当におすすめです。

こぼれ話

今のお住まいはベランダや屋上に家庭菜園用のパティオが。「自然と共生できるのは、猫にとっても人間にとっても快適。キュウリやトマトなどを育てています」。

愛猫家の室井さんのお宅のバスルームには、自身で描いた猫の絵のタイルが飾られている。「窓の格子にも猫をデザインしたり、家の中は猫だらけです」。

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