Vol.67 平泉成さん

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インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼ 各界でご活躍の方々に、家、住まいに、住み替えにまつわるお話をうかがいました。 インタビュー 私のいえ ∼すまいの履歴書∼

Vol.67 2024/04/30更新

家族のみんなが、それぞれ暮らしやすいと感じるちょうどよいバランスの家がベストです。

家族のみんなが、それぞれ暮らしやすいと感じるちょうどよいバランスの家がベストです。 平泉成さん

profile
平泉成(ひらいずみ・せい)
1944年6月生まれ、愛知県岡崎市出身。1964年大映京都第4期フレッシュフェイスに選ばれ「66/酔いどれ博士」(三隅研次監督)で映画デビュー。以降、映画、テレビドラマ、ナレーターと幅広く活動。その個性的な風貌と存在感が多くの人に愛されている。主な作品に「書を捨てよ町へ出よう」(1971年)、「その男、凶暴につき」(1989年)、「失楽園」(1997年)、「蛇イチゴ」(2003年)、「花とアリス」(2004年)、「シン・ゴジラ」(2016年)、「天気の子」(2019年)、「マイスモールランド」(2022年)など多数。今年、初主演映画「明日を綴る写真館」が公開。「20歳のソウル」(2022年)以来の秋山純監督作品出演となる。

実家を出てからずっと、仕事場への通いやすさをメインに家をさがしてきた平泉さん。家庭を持ってからは、家族の都合も考えながら、その時々で最善と思える家を選んできたそうです。家族の生活に合わせて、無理はせず、過不足のない住まい選びをされてきたご経験についてうかがいました。

俳優デビューの幸運に恵まれ、京都と東京で質素な一人暮らし

平泉成さんの写真1
下積み時代の家の思い出を語る平泉成さん

私の実家は、愛知県のくらがり渓谷に近い山の中なんです。川もあって豊かな自然の中で育ちました。父が林業を営んでいて、7人兄弟の末っ子だった私は、父にくっついて行って、よく山の仕事を手伝っていました。植林や、炭焼きや畑など、山に関する仕事は一通りやりましたね。
高校卒業後に名古屋の大型シティホテルに就職して、実家を出て寮で生活することになりました。寮といっても一部屋に何人かでの共同生活で、まるで合宿所。でも、それなりに楽しく働いていました。一方で、憧れていた俳優への想いもだんだんと大きくなり、同室の先輩にそんな気持ちを打ち明けたところ「オレ、市川雷蔵さん知ってるから紹介しようか?」と言ってくれたんです。たまたまそこに大映ニューフェイス募集案内の情報を得て応募することになったんです。試験会場には雷蔵さんも審査員としていらっしゃいましたが、後々までご本人は「推薦しましたよ」なんて、一言も仰りませんでした。
ホテルを辞め、晴れて撮影所がある京都に住むことになるのですが、お金がありません。とりあえず寝泊まりができる程度の安い部屋を借りました。倉庫を片付けて2部屋作ったという建物で、芸能学校の学生と2人で住みましたが、6畳あるかないかで風呂なし、水道も外にしかありませんでした。でも、撮影所まで走れば7分くらいの所で、駆け出しの俳優にとっては都合が良かったわけです。
しばらくして、大映の東京撮影所に所属が変わり、調布にあった社宅に住むことになりました。広い敷地に鉄筋コンクリートの4階建てくらいの建物があって、ちょっと広めの1LDKに住めることになったんですが、部屋には家具も何もなくて、お風呂も共同。家具を買うお金なんかないし、どうしたもんかと思っていたら、撮影所で、小道具さんに「ソファーが欲しいんですよね」と話したら、「これなら100円で持って行っていいよ」と(笑)。ベッドも200円くらいで譲ってもらい、そんな調子で生活に必要なものが、ほぼそろいました。余裕のある生活ではありませんでしたが、撮影所に通い、俳優の仕事に打ち込む毎日でした。

結婚してファミリーマンションを転々と。家族のために賃貸から持ち家へ

平泉成さんの写真2
奥様が用意してくれた、引っ越しメモを見ながら家の変遷を語る平泉成さん

地道に芝居を頑張っていたんですが、大映が倒産してしまい、社宅に住めなくなってしまいました。次の住まいをどこにしようかと考えた時、自分は田舎育ちだから、役の幅を広げるためにも、都心に住んで都会の生活を経験すべきだろうと、原宿や表参道に程近い神宮前に部屋を借りました。一気に都会暮らしになったのですが、今回も風呂がなく、近所の銭湯に通っていました。その物件に決めたのは、都心でどこへ行くにも交通の便が良い上に、家賃が破格に安かったことです。その頃、初めて車を持ったので、裏の駐車場を安く借りられたのも大きかった。神宮前の1LDKですから、掘り出し物でしたよ。
仕事では、岡崎友紀さん主演の『なんたって18歳』というドラマにレギュラー出演して、毎週テレビに出るようになったら、大家さんが応援してくれてね。引っ越してからも大家さんから「テレビ見ましたよ」と連絡をいただいたり、ワインを送って下さったり、ずいぶん長い間、交流がありました。ありがたいことです。
その後、36歳で結婚して、初めてお風呂がある家に住みました。やはり撮影所に近いところという条件を優先して、世田谷区内の1LDKのマンションを借りて結婚生活がスタート。55平米のごく普通のマンションでしたが快適でした。第一子が誕生すると、よみうりランド遊園地に近い100平米の3LDKに転居。ベランダで家庭菜園ができるような、ずいぶん広い家だったんですが、持ち主が帰ってくることになり、また引っ越さなきゃいけなくなりました。
こんなふうに、借りて、返して、引っ越してと、転々とするのも大変だな、もう買ってしまったほうがいいだろうと、狛江市に中古マンションを購入しました。でも、芸能人の豪邸訪問なんてテレビ番組をよくやっていますが、皆さんすごいですよねぇ。僕には、そんなのは無理ですよ(笑)。60平米の3DKで、敷地内にプールがあり、子どもを遊ばせるのにいいなと思ったのが決め手でした。
そこで第二子が生まれて手狭になり、小田急線の新百合ヶ丘にできた大規模な住宅街の新築マンションに買い替えました。住宅街の中に小学校や公園があり、子どもを安心して育てられるし、中古マンションの売買が活発で、ここなら将来的に売れるだろうと考えて、家内とあれこれ相談しながら72平米の3LDKを購入。家内はもっと広い部屋がよかったみたいですが、私にしたら、俳優業は、いつ仕事がなくなるかもしれないと思うと、無茶はできませんからね。でも、なるべく予算を抑えていたら、結局、余ってしまって、その分で車を買ったりしたんですけどね(笑)。

大事にしたいのは、その時々で家族のあり方にフィットする家

平泉成さんの写真3
長く住み続けて愛着のある、現在の一戸建てについて語る平泉成さん

そこで10年くらい家族4人で暮らしましたが、子どもが大きくなってきて、私の収入も多少は増えた頃、家内と「やっぱり一戸建てに住みたいね」という話になって、近隣の不動産情報を集め始めました。チラシを見て気になった物件は、現地まで見に行きました。
家内と「ここがいいんじゃない?」ということになれば、昼と夜、時間帯を変えたりしながら、何度でも見に行って確認しましたよ。何カ所も行ったので訳が分からなくなるくらい。おかげで、かなり勉強になりました。
チラシを見て「広くて安い」と思った分譲地も、見に行ってみると都市ガスではないとか、水道が引き込まれていないとか、何かしら安いだけの理由がある。逆に「狭いのに高いな」と思っても、交通や生活に便利な場所だったりするんです。不動産はちゃんと適正価格になっているんだと感心しましたね。
最終的には、家内が良さそうな分譲住宅の予定地を見つけてきたんです。行ってみたら見晴らしがすごく良くて、駅まで5分くらいで通学もしやすいし、価格も妥当だったので、そこに決めました。4〜5区画ある分譲地に建売住宅が建つことになっていて、元々の図面にいろいろと注文をつけさせてもらえました。リビングの間仕切りを変えてもらったり、天井に勾配をつけてもらったり。
住んでいたマンションを売って、ついに一戸建てを買ったわけです。欲を言えば広い庭が欲しいし、子どもが独立してようやく自分の書斎が持てたほどですから、決して大きな家ではないんですが、家内と2人暮らしの今、ちょうどいいような気もします。
ずっと小田急線の沿線に住んでいるのは撮影所に通いやすいからですが、子どもの通学も考えて、このエリアに落ち着きました。子どもたちも近くのマンションに住んでいて、孫を連れてよく遊びに来ます。家内も保育園のお迎えに行くし、家族の暮らしがここに根付いています。 もっと家が広ければと考えることもありますが、広いと家族が別々の部屋で過ごすようになって団らんが減るかも知れないし、趣味のバラ栽培も、狭い庭だからこそできるのかもしれない。広かったら疲れちゃうかも(笑)。知恵を絞ったり工夫したりして楽しめているんだと思います。
家の中は、家内がチューリップなどの生花を欠かさず飾ってくれるので、私もたまに小さな花を摘んでは、洗面所の横にちょんと挿して飾るんですよ。広すぎず狭すぎず、“ほどよい”感じの今の家には愛着がありますし、身の丈に合った暮らしに満足しています。

こぼれ話

家を建てた時にあった植栽に違和感があって、バラを植え始めたのがきっかけで、バラの栽培に凝るようになったとか。育てるうちにどんどん数が増えていき、今では、美しいバラがあふれています。

INFORMATION

キャリア60年にして初主演!映画『明日を綴る写真館』

長い俳優キャリアを持つ平泉成さんの初主演映画が公開されます。
相手役には「Aぇ! group」所属の佐野晶哉を起用。周囲を固めるのは、佐藤浩市さん、吉瀬美智子さん、高橋克典さん、黒木瞳さん、市毛良枝さんなど錚々たる俳優陣です。原作は、あるた梨沙さんの同名漫画。平泉さんの故郷でもある愛知県岡崎市が撮影に協力しています。 どうすることもできないまま誰もが抱えている人生の“想い残し”をテーマに、年齢も考え方も全く違うふたりが紡ぐ圧倒的に美しくて優しい感動作に仕上がりました。 写真撮影が趣味という平泉さんの “なりきりぶり”にも注目です。

Story
さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)。
彼の写真に心を奪われた気鋭のカメラマン・太一(佐野晶哉)は華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えて深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた人生の“想い残し”があることを知る。変わりゆく太一が、悔いのない未来のために踏み出した一歩。その先に続く、思いもよらない奇跡に涙する――。

6月7日(金)全国公開! 配給:
アスミック・エース
©2024「明日を綴る写真館」製作委員会 ©あるた梨沙/KADOKAWA

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