すみふの仲介ステップ（住友不動産ステップ）不動産流通市場動向及び新築マンション供給戸数 2020年度上期

不動産コラム

中古住宅に関することから、マクロ経済に至るまで、
皆様のお役にたつ情報を経済的な観点でレポートします。

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【vol.195】不動産流通市場動向及び新築マンション供給戸数 2020年度上期

Ⅰ．首都圏・不動産流通市場動向　2020年4-9月期

東日本不動産流通機構によると首都圏の中古市場は、成約件数は全ての物件種別で減少しています。成約価格は戸建・土地が下落しましたが、マンションの成約価格は8年連続上昇しています。

① 中古マンション、成約件数が大幅減少も、成約価格は8年連続の上昇
20年4-9月期の首都圏中古マンションの成約件数は、15,965件（前年比▲16.3％）と大きく減少しています。成約価格は、3,549万円（同＋4.1％）と8年連続上昇しました。

② 　中古戸建、成約件数が3年ぶりに減少
中古戸建の成約件数は6,302件（前年比▲6.8％）で、3年ぶりに減少しました。成約価格は3,018万円（同 ▲3.1％）と2年連続で下落しています。

③ 　土地の成約件数、2年連続で減少
土地の成約件数は2,783件（前年比▲3.2％）で2年連続減少しました。成約価格は2,754万円（同▲3.3％）で2年連続下落しています。

出所：(公財)東日本不動産流通機構　「マーケットウォッチ」

Ⅱ．近畿圏・不動産流通市場動向　2020年4-9月期

近畿圏の中古市場は、成約件数がマンションは減少しましたが、戸建・土地は増加しています。成約価格はマンションが下落となりましたが、戸建・土地は上昇しています。

① 中古マンション、成約価格が8年ぶりに下落
近畿圏の中古マンション成約件数は、7,748件（前年比▲10.0％）で、4年ぶりに減少しています。成約価格は2,290万円（同▲0.1％）で、8年ぶりに下落しています。

② 戸建住宅の成約価格、6年連続ゆるやかに上昇
戸建住宅の成約件数は7,192件（前年比＋2.7％）で、2年連続増加し7千件の大台をキープ、高水準で推移しています。成約価格は2,171万円（同＋0.6％）と、6年連続で上昇しています。

③ 　土地、成約件数が増加、価格も上昇
土地の成約件数は1,584件（前年比＋8.4％）と、昨年から大幅に増加しています。成約価格は1,974万円（同＋5.1％）で、2年ぶりに上昇しています。

出所：(公社)近畿圏不動産流通機構　「Real Time Eyes」

Ⅲ．新築マンション市場動向（2020年4-9月期）

①　首都圏の新築マンション供給戸数、7年連続で減少
続いて新築マンション市場動向です。20年4月から9月までの供給戸数は8,851戸（前年度比▲26.2％）。コロナ禍の影響から1万戸をきる低水準となりましたが、平均価格は6,085万円（同＋1.3％）と上昇しています。

②　近畿圏も供給戸数は2年連続で1万戸を下回る
近畿圏の供給戸数は5,881戸（前年度比▲28.9％）と、2年連続1万戸台を下回る低水準となりました。平均価格は4,018万円（同＋7.1％）で2年ぶりの上昇となりました。

出所：㈱不動産経済研究所

③　新築マンションと中古マンションの価格乖離（4-9月期）
続いて、中古マンションと新築マンションの価格面での比較です。
首都圏で新築マンションと中古マンションで最も乖離率が高かったのは03年で51.2％、金額では約2千万円の差が開いていました。反対に最も差が縮まったのが20年で41.7％、金額は約2千5百万円の差でした。20年の方が金額の差が大きいのは、価格が上昇したためです。
20年は中古の価格の上昇が新築マンションをやや上回ったため、19年と比べると価格差は若干縮まりました。