【住友不動産販売】不動産流通市場動向　2021年4-9月期

不動産コラム

中古住宅に関することから、マクロ経済に至るまで、
皆様のお役にたつ情報を経済的な観点でレポートします。

中古住宅に関することから、マクロ経済に至るまで、皆様のお役にたつ情報を経済的な観点でレポートします。

【vol.206】不動産流通市場動向　2021年4-9月期

Ⅰ．首都圏・不動産流通市場動向　2021年4－9月期

東日本不動産流通機構によると首都圏の中古市場は、成約件数は全ての物件種別で増加しています。成約価格もすべての種別で上昇しており、マンションの成約価格は9年連続上昇しています。

①中古マンション、成約件数は大幅増加、成約価格も9年連続の上昇
21年4－9月期の首都圏中古マンションの成約件数は、18,780件（前年比17.6％）と大きく増加しています。成約価格も、3,865万円（同＋8.9％）と9年連続上昇しました。

②中古戸建、成約件数が大幅増加
中古戸建の成約件数は7,605件（前年比20.7％）と大幅に増加しました。成約価格も3,429万円（同13.6％）と大幅に上昇しています。

③土地の成約件数、3年ぶりに増加
土地の成約件数は3,124件（前年比12.2％）と3年ぶりに増加に転じました。成約価格も2,951万円（同7.2％）と上昇に転じています。

出所：(公財)東日本不動産流通機構　「マーケットウォッチ」

Ⅱ．近畿圏・不動産流通市場動向　2021年4－9月期

近畿圏の中古市場は、成約件数が全種別で増加しています。成約価格も全種別で上昇しています。

①中古マンション、成約価格が上昇
近畿圏の中古マンション成約件数は、8,118件（前年比4.8％）で、増加に転じています。成約価格は2,481万円（同8.4％）で、上昇に転じています。

②戸建住宅の成約価格、上昇に転じる
戸建住宅の成約件数は5,257件（前年比＋6.4％）で、増加に転じています。成約価格は2,172万円（同＋7.1％）と、こちらも上昇に転じています。

③土地、成約件数が増加、価格も上昇
土地の成約件数は3,563件（前年比＋1.5％）と、増加に転じています。成約価格は1,965万円（同＋4.8％）で、2年ぶりに上昇しています。

出所：(公社)近畿圏不動産流通機構　「Real Time Eyes」

Ⅲ．新築マンション市場動向（2021年4－9月期）

①首都圏の新築マンション供給戸数、8年ぶりに増加
続いて新築マンション市場動向です。21年4月から9月までの供給戸数は12,809戸（前年度比44.7％）と、コロナ禍の影響を受けた昨年から大幅に増加しました。平均価格は6,702万円（同＋10.1％）と3年連続上昇しています。

②近畿圏も供給戸数は前年度比＋42.1％の大幅増加
近畿圏の供給戸数は8,355戸（前年度比＋42.1％）と、昨年度より大幅に増加となりました。平均価格は4,538万円（同＋12.9％）で2年ぶりの上昇となりました。

出所：㈱不動産経済研究所
③新築マンションと中古マンションの価格乖離（4－9月期）
続いて、中古マンションと新築マンションの価格面での比較です。
首都圏で新築マンションと中古マンションで最も乖離率が高かったのは03年で51.2％、金額では約2千万円の差が開いていました。反対に最も差が縮まったのが20年で41.7％、金額は約2千5百万円の差でした。20年の方が金額の差が大きいのは、価格が上昇したためです。
21年は新築の価格の上昇が中古マンションをやや上回ったため、20年と比べると価格差は若干広がりました。