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三幸、都心大規模オフィスの空室率低下

大面積を分割の動き、中型ビルは空き増

　 三幸エステートは17日、全国主要都市の11月末時点のオフィス需給動向を公表しました。東京都心5区の大規模ビルの空室率は前月比0.14ポイント減の3.93％と、昨年8月以来、1年4カ月ぶりに低下です。空室率の先行指標となる潜在空室率も0.11ポイント減の7.52％と3カ月ぶりに下がりました。中型ビルの空室率は6.98％と7％台が目前です。全規模の坪当たり月額募集賃料は20円減の2万8605円と微減ですが、「賃料下落のペースが鈍ってきた」（同社）とのことです。
　 東京都心では多くの企業が時間と場所にとらわれない働き方とオフィスの使い方を模索する動きが続いています。今回の調査結果では大規模ビルと中型ビルの需給の差が鮮明になりました。その要因について同社の今関豊和チーフアナリストは「（働き方の変化で）大規模ビルの貸室を分割し、多様なテナント需要を取り込もうとする動きが広がっていることも影響した」と分析しています。
　 三鬼商事が9日に出した調査結果でも、11月時点の東京都心5区の平均空室率は0.12ポイント減の6.35％と、20年2月以来、1年9カ月ぶりに下がりました。同じ建物内での大口の増床や拡張移転などが増えました。大面積の解約が少なく、都心5区全体の空室面積は1カ月で約9900坪減ったとのことです。。新旧別の空室率の内訳は、新築ビルが1.57ポイント減の12.46％、既存ビルが0.11ポイント減の6.28％と約6ポイントの差が付きました。
　 三幸の調査によると、東京以外の都市別の空室率は、大阪が0.2ポイント増の3.3％、名古屋が0.4ポイント増の4.3％、福岡が0.1ポイント減の2.9％、札幌が0.2ポイント減の1.6％などとなっています。

（提供：日刊不動産経済通信）