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2023年08月14日

7月の新築大規模ビルは空室残して竣工

既存ビルの空き床は埋まる

     三幸エステートと三鬼商事は10日、7月のオフィスビルの需給動向を公表した。東京都心5区について、三幸エステートは1フロア面積200坪以上の大規模ビルの空室率を5.15%(前月比0.40ポイント増)とした。14年3月以来の5%台へ達した。三鬼商事によると、基準階面積100坪以上のビルの平均空室率は6.46%(0.02ポイント減)だった。大規模ビルで募集面積を残して竣工したほか既存ビルの大型解約もあったが成約も多く、わずかに空室面積が減少したという。

     三幸エステートの大規模ビルを対象とした調査では、潜在空室率は7.67%(0.12ポイント増)、共益費込の募集賃料が坪当たり2万8,027円(42円減)だった。賃料はわずかに下落したが、2万8,000円台が続いた。リーシングが長期化しているビルで賃貸条件を見直す事例があるが、募集状況が改善したビルでは賃料の引き上げもみられるようだ。今関豊和チーフアナリストは、23年の20万坪超の大量供給の影響について「空室率の上昇が続く。一方、供給によりオフィス需要も刺激されることから、今後もリーシング活動の拡大傾向は続く可能性が高い」と分析する。

     三鬼商事の調査によると、既存ビルでは募集開始や大型解約の動きがあったが、大型成約に加えて中小規模の成約も多く出て、小幅ながら空き床が埋まり、築1年以内の新築ビルの空室率は横ばいだった。共益費を原則含まない平均賃料は、坪当たり1万9,819円(19円減)で、36カ月連続で下落した。エリア別の平均空室率は、大規模ビルが空室を残して竣工した港区で9.60%(0.06ポイント増)に若干上昇した。千代田区は3.80%(0.17ポイント減)、渋谷区が4.28%(0.27ポイント減)で、それぞれ空室率が下がった。

    (提供:日刊不動産経済通信)

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