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2023年10月13日

都心5区のオフィスは小幅な動きが続く

―賃料も前月からほぼ横ばい―

 三幸エステートと三鬼商事は12日、9月末時点の全国主要都市におけるオフィス需給動向を公表した。三幸エステートによる東京都心5区の大規模ビル(1フロア面積200坪以上)の空室率は5.21%(前月比0.08ポイント増)、潜在空室率は7.71%(0.14ポイント増)だった。坪当たり募集賃料(共益費込)は2万8,054円(62円増)。三鬼商事は、都心5区における基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルの空室率を6.15%(0.25ポイント減)とした。共益費を原則含まない坪当たり平均賃料は1万9,750円(6円減)。

 三幸エステートは、都心5区の空室率を前月より小幅な上昇とした。竣工した新築ビルの空室や、本社移転で生じた募集床に空きが生じた影響という。7月以降の調査では、空室率が5%台のやや高い水準。また、潜在空室率も7%台が続く。今関豊和チーフアナリストは、「今年竣工のビルに移転するテナントの二次空室の募集も本格的には始まっていない」と分析。今後は二次空室の顕在化や、働き方の変化の定着でオフィス使用面積を減らすケースの増加などから、空室率が変化していく可能性を織り込んでいる。募集賃料は、22年1月以降は坪当たり2万8,000円前後で、ほぼ横ばいの傾向が続いている。

 三鬼商事は9月の動向について、空室面積が約1万9,000坪減少したとみている。解約の影響が少なかった一方で、新築ビルの大型成約や、拡張移転などの動きがあった影響とする。港区の空室率は9.10%(0.38ポイント減)で、大規模ビルが空室を残して竣工したが、新築・既存ビルの双方で大型成約があり、空き床が埋まった。都心5区の坪当たりの平均賃料は、前月より6円減とほぼ横ばいだったが、下落が38カ月連続となった。

(提供:日刊不動産経済通信)

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