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マンション短期転売率、直近で上昇顕著
―国交省公表、大規模物件で高くなる傾向―
国土交通省は25日、国外居住者の新築マンション取得率と、新築マンションの取得後1年以内に売却された短期転売率(国内居住者も含む)を公表した(表)。直近の24年上半期に保存登記された物件で、短期転売率の上昇が顕著であることが把握された。また、国外居住者が、都心の高額新築物件を活発に短期転売している実態はないことがわかった。
新築マンションの価格高騰を受けた国による初の実態調査。三大都市圏と地方4市の新築マンション55万戸の登記簿を調べた。国外居住者は、登記簿の所有者住所欄が国外になっている者で、両調査とも、所有者は法人も含む。短期転売率は、表示期間中に保存登記された物件のうち、1年以内に移転登記がされた物件の割合を示す。再転売は対象外。不動産業者が開発したマンションを、別の不動産業者が1棟で買い取って登記されたいわゆる「専有卸」も調査から除外した(1棟ではなく部分的な法人取得は調査に含む)。
短期転売率は、東京圏・大阪圏では直近の24年上半期の保存登記物件で、近年の実績と比べ上昇している。名古屋圏ではこうした動きは見られない。中心部ほど短期転売が高くなる傾向は東京以外も同様だった。一方で、東京23区は葛飾区や墨田区など城東エリアなどで短期転売率が高い区もみられた。
短期転売率は同じエリアでも年によって大きく変動する。国交省は18年~22年については年ごとの短期転売率の最大値を公表している。例えば新宿区では、直近の24年上半期は19.6%、23年は4.1%、18~22年の最高値は21年の8.6%だった。こうした年ごとの大きな変動について国交省は「どのようなマンションが供給されたかによる」と説明する。転売率を上げるマンションの特徴分析は行われていないが、ひとつの傾向として、100戸以上の大規模マンションは、その他のマンションより転売率が高くなる傾向があった。東京23区の新築マンションの約6割を占める大規模マンション(40㎡以上)の短期転売は、直近の24年上半期では575件、大規模以外は117件だった。
◎短期転売が価格に与える影響まで見えず
国外居住者に限定した短期転売率は、東京23区内のみ公表された。東京23区内の国外居住者の短期転売率は近年上昇傾向で、23年3.9%、直近の24年上半期では7.0%。
また、都心6区を対象に、物件価格帯ごとの短期転売率と、そのうちの国外居住者の割合を調査した。都心6区で短期転売されている新築マンションの大半は2億円未満の物件。2億円未満物件かつ23年1月~24年6月までの保存登記物件で、短期転売されたのは768件。うち国外居住者の転売は20戸(2.6%)だった。2億円以上の物件で国外居住者が短期転売した件数はゼロであり、国外居住者が都心高額新築物件を活発に転売している実態はみられなかった。
今回の調査結果は、転売がマンション価格高騰の要因であると結びつける内容ではない。金子恭之・国土交通大臣は25日の会見で、「近年のマンション価格上昇の背景には、需要と供給の両面でのさまざまな要因があり、今回の調査のみで短期売買による影響を特定することは困難」と説明。「引き続き短期転売等、取引実態を注意深くみていく必要がある。国交省としては実需に基づかない投機的取引は好ましくないと考えており、不動産協会等、関係団体と連携して、投機的取引の抑制にしっかり取り組んでいく」と話した。
国外居住者による新築マンション取得割合も、短期転売率と同様に中心部ほど高い割合になる。年ごとに大きく変動する点、2億円以上の都心高額物件を活発に購入している傾向がない点も、転売率と同様だった。
東京23区内のみ、国外居住者による新築マンションの取得割合の国・地域別の登記件数が公表された。23区の国外居住者による登記件数はここ数年では年300件前後で推移している。直近の25年上半期では多い順に台湾(192件)、中国(30件)、その他(22件)、香港・英国(ともに15件)だった。
調査の元となった不動産登記簿には国籍欄がない。所有者住所欄の住所が国外かどうかで調査対象を選別しており、外国人による取得・短期転売率を明確に示すものではない。政府は、不動産登記簿に国籍欄を加える方向で検討している。
本記事の無断転載を禁ずる。
(提供:日刊不動産経済通信)
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