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2020年10月08日

特集・コロナ禍の都道府県地価④京都ホテル市場(下)

◎宿泊・観光不振で地価上昇傾向に歯止め

 

求心力は下がらず、再浮上へ行政も本腰

 京都市北区の鷹峯に昨年11月、高級ホテルチェーン・アマンリゾーツが運営するラグジュアリーホテルの「アマン京都」が開業した。今年9月の連休には1泊20万円前後の部屋を含む多くの部屋が予約で埋まったとされる。外国人旅行者が消えた京都で宿泊料金を下げずに集客できる「勝ち残った」宿の一つだ。ザ・リッツ・カールトン京都も1泊10万円前後の値付けを続けている。一方でJR京都駅周辺には2000円台にまで値を下げたビジネスホテルもある。同じ市内で宿泊価格に数十倍もの開きが生じている。
 政府が始めたGoToキャンペーンの利用客は補助率が大きくなる高価格帯の宿を選ぶ傾向が強い。「富める宿はますます富む」(地元の不動産関係者)面がある。それらの対極にある格安ホテルも現行の価格で一定の需要を確保できる。問題は高級と格安の間に位置する1泊1万円前後の宿だ。そうした中間的な施設が生き残りをかけて価格をどう設定するか。あるオペレーターは「一度値下げすれば元に戻すのは難しい。紅葉目的の観光客が増える11月に各社がどう値付けするかが京都のホテル市場を左右する」と指摘する。
 国土交通省が9月に公表した基準地価(7月1日時点)では、京都府内の商業地の上昇率は前年の7.1%増から0.4%増へと大幅に鈍化した。有名観光地が集中する京都市内の商業地に限ると上昇率は11.5%増から1.4%増へと10ポイントも低下。全11区のうち9区で上昇幅が前年よりも縮小した。観光・宿泊や小売りなどといった業種の不振が地価上昇に歯止めをかけた形だ。一方で、烏丸地区のオフィス街や、多くの住宅が集まる左京区下鴨地区などでは地価の下落が比較的抑えられている。土地の用途で明暗が分かれた。
 不動産の仲介事業者は京都のホテル市場をどう評価しているのか。ジョーンズラングラサール(JLL)の辻川高寛ホテルズ&ホスピタリティ事業部長は「京都のホテルは平均稼働率が2~3割程度と低い施設がまだ多い。需要が戻りつつはあるが回復にはほど遠い」と指摘する。同社関西支社の山口武リサーチディレクターも「大底からは持ち直したが、最悪よりはましというレベルだ」と同様の見解を示す。
 ただ山口氏はこうも続ける。「京都のオフィスやレジは底堅くて強い。観光面でも多くの人を惹きつける力は落ちていない。感染さえ収まれば大きな需要の戻りが期待できる」。実際に、ある運営事業者は「市内にホテルの売り物が増えているが今はまだ安くはない。ただ出物があれば買う。数年後には取り戻せる」と京都のポテンシャルを評価する。
 辻川氏は今後について「運営能力が低い小規模な事業者らが事業継続を諦めるケースがさらに増える。来年にかけて稼働率が低い既存のホテルをレジなどに転換する動きも活発になる」と展望する。


◎中心部で売地増加、投資用物件に注目も

 京都の宿泊・観光産業は荒れ模様だが、中期的にはさほど悲観すべき状況でもない。複数の不動産デベロッパーの目にはそう映っている。地元で不動産開発や仲介などを手掛ける巖本金属商事の営業担当者は「新型コロナで中心部のホテル用地が放出され、住宅開発の機会が増えつつある。坪当たり300万円に値上がりしていた土地が元の200万円に戻ったというような印象だ」と話す。一方で「ホテルの土地や建物が多く出回り始めているが、小規模なものが多くマンションには使えない」(長谷工コーポレーション)、「ホテル用地が安く売られればマンションの価格が全体に値崩れする心配もある」(大京)などの声もある。
 マリモの営業幹部によると、同社が河原町三条に開発したホテルは9月の連休にほぼ満室になった。京都ではマンション事業も好調で、理由の一つは「これまで東京の投資用物件を買っていた名古屋の人が、コロナの拡大を嫌気して京都に目を向け始めている」ためだという。関西市場に詳しい長谷工の市場調査責任者は「大阪・関西万博が開かれる25年にはJR大阪駅北側の『うめきた2期(北街区)』が完成する。大阪経済が上向けば京都にもプラスの影響が及ぶ」と両都市の成長性を前向きに評価する。
 コロナ禍で傷んだ京都の宿泊・観光産業を立て直すことは行政にとって最重要課題の一つだ。市は8月下旬、官民でMICEの新たな方向性を検討する会合を立ち上げた。京都への来訪者の安全を確保しながら国際会議などのイベント誘致を拡大するための行動指針を近くまとめる。受け皿となるハード整備も急ぐ。万博開催をにらみ国立京都国際会館を拡張する計画で、来年度から施設調査に乗り出す。事業継続が困難な宿泊施設を住宅などに転用する経費を補助する制度も9月に始めた。
 京都に多くの訪日客が戻るには時間がかかる。関係者の多くはその日を念頭に置き、我慢比べの展開を覚悟している。あるホテル・オペレーターは力強く語った。「多くの人は今の状態が壊滅的だと、それがこの先もずっと続くと思い込んでしまう。そこで冷静になって先を見据えたプレーヤーが、最後に残存者利益をとる」。

(提供:日刊不動産経済通信)

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