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不動産の税金ガイド
住宅ローン減税

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)

 住宅借入金等特別控除とは住宅ローンの年末残高の一定額までの1%相当額を10年間、所得税から控除できる制度です。所得税から控除しきれなかった控除金額がある場合には、一定の限度で住民税から控除できます。

控除額

 控除額は次の通りです。

  • 消費税がかかる物件(例:新築住宅、売主が法人で建物消費税がかかる場合など)

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)

  • 消費税がかからない物件(例:個人間売買の中古物件など)

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)

 認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の控除額は次の通りです。

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)

 なお、所得税から控除しきれなかった控除額は翌年の住民税から控除できます。できるのは前年の所得税の総所得金額等の7%で13万6,500円が上限になります。

ただし2014年4月1日以降の対象ローン限度額、最高控除額は、消費税等の税率が引上げられた場合で、住宅の対価の額または費用の額に含まれる消費税等の税率が8%又は10%である場合に適用されることになっています。

住宅・居住の要件

住宅・居住の要件

 なお、やむをえない事情で年末まで引き続き居住できなくても、その年中あるいは翌年以降、再居住したとき、いったん居住したことを証明する書面と、控除金額の明細書、再居住したことを証明する書面などとともに申告するなどの一定の手続きをすれば、住宅ローン控除の適用が受けられます。

ローン等の要件

ローン等の要件

ローン等の要件

住宅ローンを借り換えた場合、住宅ローン控除の適用は続けられるのでしょうか?
ローンの借り換えでも、住宅ローン控除の継続ができます。住宅ローン控除の継続は次の要件を満たすことが前提です。
  1. 借り換えるローンが最初に組んだローンの返済に充てられることがはっきりしていること
  2. 返済期間が10年以上で、住宅ローン控除の適用が認められるローンであること
不動産業者が売主で、建物に消費税8%課税の中古住宅を購入した場合、一般住宅と中古住宅のどちらが適用になりますか?
一般住宅が適用となります。

 中古住宅でも、売主が不動産業者等で、その購入した建物消費税が8%課税されている場合、一般住宅と同様に対象ローン限度額は4,000万円となり、最高控除額は400万円となります。

その他の要件

 ほかの税制上の特例との関係では、居住した年及びその前後2年間(通算5年間)居住用財産の3,000万円特別控除等の特例を受けていないことが適用の要件になります。

<手続き>

ローン等の要件

給与年収600万円の人(配偶者あり)が2019年6月入居で借入2,000万円35年ローンの場合の住宅ローン控除単位:万円

ローン等の要件

年度項目
2019年分 2020年分 2021年分 2022年分 2023年分 2024年分 2025年分 2026年分 2027年分 2028年分 合計
控除額上限 19.73 19.26 18.79 18.31 17.83 17.34 16.84 16.34 15.84 15.32 175.6
所得税 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 165.8
所得税控除額 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.58 16.34 15.84 15.32 163.56
住民税年度分 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度 2027年度 2028年度 2029年度
住民税 26.05 26.05 26.05 26.05 26.05 26.05 26.05 26.05 26.05 26.05 260.5
控除枠 3.15 2.68 2.21 1.73 1.25 0.76 0.26 0 0 0 12.04
住民税控除額 3.15 2.68 2.21 1.73 1.25 0.76 0.26 0 0 0 12.04
合計 19.73 19.26 18.79 18.31 17.83 17.34 16.84 16.34 15.84 15.32 175.6

早見表

 2019年6月入居の場合の控除額の早見表を作りました。

配偶者がいる場合の控除額(35年ローン、金利1.2%)単位:万円

借入金給与年収
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000
400 87.78 158.04 158.6 158.6 158.6
500 87.78 175.6 236.11 236.8 236.8
600 87.78 175.6 263.43 302.3 302.3
700 87.78 175.6 263.43 348.12 374.8
800 87.78 175.6 263.43 351.24 397.92

ローン等の要件

配偶者がいない場合の控除額(35年ローン、金利1.2%)単位:万円

ローン等の要件

借入金給与年収
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000
400 87.78 175.6 204.2 204.2 204.2
500 87.78 175.6 259.2 274.8 274.8
600 87.78 175.6 263.43 332.89 340.3
700 87.78 175.6 263.43 351.24 397.92
800 87.78 175.6 263.43 351.24 397.92

消費税率10%で住宅を取得等した場合

 消費税率10%が適用される住宅の取得等をした場合、控除期間が3年延長され13年間となります。適用要件は以下の通りです。

  1. 税率10%の消費税等が価格に含まれる住宅の取得等をすること。
  2. 2019年10月1日から2020年12月31日までの間に自己の居住の用に供すること。

 11~13年目は、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額(100円未満切り捨て)を各年の所得税から控除できます。※1

  1. 住宅借入金等の年末残高(4,000万円を限度※2)×1%
  2. [住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得費等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等額](4,000万円を限度※2)×2%÷3
    • 上記に合わせ、住民税の控除も13年とされます。
  1. ※1適用年の1年目から10年目までの各年の住宅借入金等特別税額控除については、現行と同様の金額を控除できます。
  2. ※2認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合には5,000万円が上限になります。

転勤等により住むことができない場合

 住宅ローン減税は原則として本人居住が適用条件となります。しかし本人が住めないことに転勤等やむを得ない事情がある場合は引渡し日から6ヶ月以内に家族が住みやむを得ない事情が解消した後は本人と家族が同居すると認められれば適用されます。

 また、住宅ローン減税適用期間中に転勤で居住しなくなった場合、居住していない期間は減税の適用が受けられません。しかし、減税適用期間中に転勤が解除され、再度居住する場合は再適用を受けることができます。

土地を先に購入して住宅を建築する場合

 土地を先に買いそのあとで住宅を建てた場合、以下のいずれかの基準を満たせば先行して取得した土地のローンも住宅ローン控除を受けられる対象になります。

  1. 建築条件付住宅地分譲の場合は、3ヶ月以内に建築請負工事契約(建物部分の契約)を締結すること。
  2. 建築条件のない普通の土地の場合は、2年以内にこの土地の上に住宅ローン付で住宅を取得すること(なお、金融機関等からの借入金に係る債権を担保するためのその家屋を目的とする抵当権が設定されている必要があります。)
  3. 土地・建物のための住宅金融支援機構等の借入金で家屋の新築着工後に受領したものであること。
  4. 地方公共団体等からの借入金で建築条件が付されているもので新築前に受領した借入金であること。

ローン等の要件

コラム

すまい給付金の制度は、消費税率の引上げで増加する住宅家屋に係る税負担を緩和するために導入される制度です。対象となる人は、住宅を取得し所有権(持ち分でもOK)を登記、その住宅に自分で居住し(住民票で確認できること)、収入が一定以下(消費税率が8%の場合は収入が510万円目安)である要件を満たすこと。住宅ローンを利用しないで住宅を取得する場合には、年齢が50才以上で収入額の目安が650万円以下の人が対象となります。住まい給付金は2014年4月から2021年12月まで実施されます。手続きは、給付申請書を作成し、確認書類を添付して申請することになっています。

収入の目安 都道府県民税の所得割額※ 給付基礎金額
425万円以下 6.89万円以下 30万円
425万円超
475万円以下
6.89万円超8.39万円以下 20万円
475万円超
510万円以下
8.39万円超9.38万円以下 10万円
  • ※ 消費税8%の場合 
  • ※ 個人住民税の課税証明書で「都道府県民税の所得割額」を確認する必要があります。

住宅ローン控除が受けられる増改築工事

 住宅ローン控除の対象となる増改築工事は、条件がかなり厳しくなっています。マンションの場合は一定のリフォームについて適用されます。

 住宅ローン控除は、ローンを借りて自宅を増改築する場合にも受けることができます。購入した住宅に居住する前に行う増改築でもOKです。

適用対象となる増改築工事

  1. 床面積が50㎡以上の住宅を対象とした増改築であること。
  2. 増改築の工事費が100万円を超えるもの。

 なお、この改修に際し補助金や給付金を国・地方公共団体からもらっている場合には、税額控除が適用できるかどうかの基準である工事費用の金額から補助金等の相当額を控除して判定することとされています。

 ただし、喜ぶのはちょっと待ってください。というのは、ここで言う「増改築工事」が一般の増改築のイメージとはちょっと違うからです。たとえば、壁紙の張り替えとか出窓の設置、造り付け家具の取り付けなど、いわゆるリフォーム(改修・改装)は増改築工事とは見なされず、ローン控除の対象とはならないのです。

適用対象となる「増改築工事」とは

 では、どんな増改築工事が適用対象になるのでしょうか……。その範囲は、関係法規によって規定されていますが、要は次のような内容だと思ってください。細部については所轄税務署で確認されることをお勧めします。

適用対象となる増改築工事

  1. 建物の主要構造部(壁や柱、床、梁、屋根、階段)の修繕で、
  2. その工事の規模は全体の2分の1を超えるもの。

 ですから、たとえば屋根を全部葺き替えれば控除の対象になりますが、10本ある柱のうち4本だけ抜いて新しくするときは対象にならないというわけです。

 これに対して、ローン控除の対象にならない改築は、建物の構造上重要でない間仕切り壁、間柱、付け柱、あげ床、最下階の床、小梁、庇、局部的な小階段、屋外階段など。したがって、さきに述べた壁紙の張り替え程度では、ローン控除の対象とはならないのです。

 また、一定のマンションのリフォーム工事についてもローン控除の対象となっています。

適用対象となるマンションのリフォーム工事は次のいずれかです。

  1. 主要構造部である床の過半又は主要構造部である階段の過半について行う修繕又は模様替。
  2. 間仕切壁(主要構造部である間仕切壁、建築物の構造上重要でない間仕切壁)の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替、ただしその間仕切壁の一部について位置の変更を伴うものに限る。
  3. 主要構造部である壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替、ただし遮音又は熱の損失の防止のための性能を向上させるものに限る。
    以上については、一定の建築士等による証明(増改築等工事証明書)を得たものであることが必要です。証明書は確定申告に添付します。

 なお、自己の居住の用に供する場合には、これら増改築工事に、地震に対する安全基準に適合する一定の修繕や模様替が付け加えられています。

増築工事では、増築床面積の規定はありません。

 一方、増築工事については、「○○㎡以上床面積が増えないと増築とは認めない」といった、工事床面積などの規定は設けられていません。極端に言えば、工事によって1㎡でも床面積が増えれば、その工事は「増築」として認めてもらえることになります。

「100万円を超える工事費」の条件は、こう考えてください。

 最後に、増改築工事費が100万円を超えることという規定についてご説明しておきましょう。この工事費の額には、工事に一体性があれば、設備機器の取り替え・設置費用も含めることが可能です。

 たとえば台所部分を増築によって広くし、同時に最新のシステムキッチンを設置したというケースは、全額が控除の対象として認められるのです。

 これに対して、たとえば1階に1部屋を増築してついでに2階の寝室にクロゼットを付けたなどという場合、工事に一体性があるとは言えないので、2階寝室部分の工事費をローン控除の対象として認めてもらうことはできないでしょう。

 また、増改築工事の借入れ額はいくら以上でなくてはならないという規定はありません。総工事費が100万円を超えていれば、たとえ借り入れたローンが10万円であっても、ローン控除は受けられるのです。

 ただし、消費税率が8%となる2014年4月以降のローン控除の対象となる借入れ金の年末残高の限度額は4,000万円まで、返済期間10年以上という条件は、住宅取得の場合と同じです。

一定のバリアフリー工事も住宅ローン控除の対象に

 住宅の増改築で適用される住宅ローン控除制度の適用対象に、大規模修繕等に至らない修繕などのうち、一定のバリアフリー工事が含まれています。バリアフリー工事の内容は、下記の改修工事となります。適用できる期間は2021年12月31日まで。もちろん、増改築等をした居住用家屋を自己の居住の用に供する場合について適用できることとされています。

 適用できる人は居住者で合計所得金額が3,000万円以下の人であればOK。5年ローン控除で付けられる「50歳以上」等の細かい条件はありません。

一定のバリアフリー工事の内容

  • ①廊下の拡幅
  • ②手すりの設置
  • ③階段の勾配の緩和
  • ④屋内の段差の解消
  • ⑤浴室改良
  • ⑥引き戸への取替え工事
  • ⑦便所改良
  • ⑧床表面の滑り止め化

一定の省エネ改修工事も対象になります

 所定の省エネ改修工事も、住宅の増改築で適用される住宅ローン控除制度の対象になっています。適用は2021年12月31日までです。工事費用の合計が100万円を超える省エネ改修工事に適用されます。

一定の省エネ改修工事の内容

  • ①居室の全ての窓の改修工事
  • ②床の断熱工事
  • ③天井の断熱工事
  • ④壁の断熱工事
  • ⑤太陽光発電装置設置工事

 ただし②~⑤については、①の工事と併せて行うものに限るほか、①~④については、改修部位の省エネ性能がいずれも一定の基準以上となるもの、⑤は一定のものに限られます。

 この特例の適用については、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関や、建築基準法に基づく指定確認検査機関、建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する「省エネ改修工事等の証明書」が必要です。