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不動産の税金ガイド
消費税

 消費税は国内において事業者が対価を得て事業として行う「資産の譲渡」、「役務の提供」(たとえば貸付など)と外国貨物の輸入(これを課税資産の譲渡等と言います。)にかかります。

消費税が住宅にかかる場合

 不動産の売買において、土地は消費税が非課税ですが、建物は消費税の対象となります。すなわち、住宅を購入するときには建物部分は課税対象になるということです。しかし売主が消費税の課税事業者でなければかかりません。たとえば課税事業者である不動産業者から買ったケースです。個人が自宅の売主となる場合では、課税されることはありません。なお、住宅の貸付にかかる家賃には消費税はかかりません。

住宅の取引慣行で精算される固定資産税等

 中古住宅の売買契約で、固定資産税・都市計画税の税金を精算するときには注意が必要です。この精算とは、買い主が、引渡し以降の未経過分の固定資産税などを売主に与えて、税金を精算する名目で行われる取引慣行です。しかし、これはあくまで名目であって、買主はその年の1月1日において不動産の登記名義人ではありませんから、固定資産税・都市計画税の納税義務者にはなれません。したがって税務上は、売買代金の調整とされるため、この分にも消費税が課税されることがあります。

不動産の仲介手数料は消費税の課税対象

 不動産の仲介手数料は基本的に消費税の課税対象です。不動産の仲介業者を通じて住宅を購入した際に支払う仲介手数料は、仲介業者が課税事業者であれば、消費税が課税されます。

税率

 2019年4月現在、消費税は、8%の税率でかかります。なお政府は、消費税率引上げを定めた「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(以下、税制改革法という)」を再改正し、2019年10月1日以降に行われる資産の譲渡等には税率10%になるよう消費税の税率の引上げを予定しています。

 消費税の税率引上げに当たり、どの税率が適用されるかは課税資産の譲渡等の時期がいつかにより、判定することとされています。このため予定通り税率の引上げが行われれば、2019年10月1日以降に住宅の引き渡しを受ける場合には10%の税率が適用されることになります。

住宅の建築請負契約にかかる経過措置

 消費税等の税率の引上げが行われた後に住宅の引き渡しを受ける場合は、原則として引き上げ後の税率が適用されます。しかし消費税等の税率引上げ前の所定の時期までに工事請負契約をし、消費税率の引上げ後に住宅の引き渡しを受ける場合には、引上げ前の消費税率の適用が認められる措置が設けられています。

住宅の建築請負契約にかかる経過措置

 住宅の工事請負契約については契約日が2019年3月31日までに締結している場合には、工事等請負契約の対象に住宅等の完成・引き渡しが消費税率引上げ後であっても、引上げ前の税率を適用することになります。もちろん消費税率引上げ前までに、目的物の完成・引き渡しが行われる場合には工事等請負契約の締結日が2019年10月1日以降であっても、引上げ前の税率が適用されることになります。当然に2019年10月1日以降に契約締結し、消費税率引上げ時期以降に目的物の完成・引き渡しとなる場合には、引上げ後の税率が適用されることになります。

 なお、工事請負契約に準ずるものとして、購入者の指図により、内装等が変更可能なマンションの売買契約など所定の要件を満たす契約も、同様の扱いとなります。

不動産にかかわる消費税ではこんなことにもご注意ください。

課税対象は、新築・中古・自宅であるなしを問いません。

 この消費税は、買ったときにかかる不動産取得税などと違って、新築・中古にかかわらず税率は2014年4月1日から同じ8%です。また、不動産に関する税金では、自宅の場合は税金が少なくてすむ特例がいろいろありますが、消費税については自宅であろうがなかろうが区別はいっさいありません。

 ただし、課税業者ではない個人売り主の自宅を買い受けるような場合には、あとでご説明するように、売り主には消費税の納税義務がありません。したがってこのような場合には、買い手の側も建物価格の8%の消費税を支払うこともないのです。

 もっとも土地の売買は非課税であることを考えると、中古住宅では消費税の負担はそれほどでもないことがけっこうあるはず。というのは、中古住宅は建ってから時間がたてばたつほど、価格のうち土地の部分の占める割合が大きくなっていくからです。その土地の部分は非課税なのですから、中古建物に対する消費税は少なくてすむわけです。

仲介手数料、取り扱い手数料にも消費税がかかります。

 中古住宅を買ったときには、売り主に支払う代金のほかに、仲介をした不動産会社に支払う仲介手数料が必要になってきますが、消費税はこの仲介手数料にも課税されることになっています。
 仲介手数料は、売買価格が400万円以上の場合は

 売買価格の3%+6万円
 したがって、『(売買価格 × 3% + 6万円)× 108% 』

 が仲介会社等に支払う消費税込みの金額となります。

 この仲介手数料への課税は、モノではなく、仲介というサービスの対価への課税です。ですから、仲介してもらったのが消費税のかからない土地であっても、その土地の仲介手数料には消費税は課税されるのです。

 なお、2004年4月から消費税の表示は原則としてモノやサービスの値段と消費税をあわせた総額表示とされました。建物の価格も総額表示になりますが、仲介手数料の計算では含まれている消費税を除いた金額をもとに計算することとされています。

宅地・建物の仲介手数料について

①売買・交換の場合

 宅地建物取引業者が依頼者のそれぞれ一方から受けとることのできる手数料は、つぎの金額(代理のときはその2倍、ただし代理の相手方からも受けとる場合は合計額で2倍)以内です。

住宅の建築請負契約にかかる経過措置

 ただし2019年3月31日までに請負契約に準ずる売買契約等を締結して、経過措置の適用を受けて2019年10月1日以降に引き渡しを受ける場合の契約に関し発生する仲介手数料については引上げ前の消費税率が適用されます。

②貸借の場合

 宅地建物取引業者が貸借の手数料として依頼者の双方から受けとることのできる合計額は、通常の賃料の1カ月分の1.08倍に相当する金額以内です。また、それが居住用の建物の媒介である場合、依頼者の一方について受けとることのできる金額は当初より依頼者の承諾を得ているときを除いて1カ月分の賃料の0.54倍に相当する金額以内です。

  • 2019年10月1日以降は税率10%となります。

土地の地代は非課税。アパートなどの居住用の家賃は1991年10月1日以降は非課税です。

 最後に、売買ではありませんが、不動産を借りた場合の消費税についてもご説明しておきましょう。まず、土地を借りている場合。いわゆる借地権を持っている場合です。この場合、土地の地代は非課税とされています。また借地権の設定や譲渡も、土地に準ずる取り扱いがなされ、非課税となっています。

 アパートやマンションを借りている場合の家賃、駐車場の使用料などはどうでしょうか。居住用の家賃については非課税とされていますが、その他の消費税分が家賃や使用料に跳ね返ってくるかというと、これは一概には言えず、場合によっては、家賃の値上げの一因となることもあるでしょう。

課税事業者について

 課税事業者とは事業として行う資産の譲渡、貸付、及びサービス等の取引きを行う個人及び、法人で、課税期間(個人の場合は1月1日~12月31日、法人は事業年度)の基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が1,000万円超である個人事業者及び、法人のことです。課税売上高が1,000万円以下であれば原則として消費税の免税事業者とされます。

 ただし税制改正により、2013年1月1日以後にはじまる個人事業者の年分あるいは法人の事業年度については、前々年又は前年度である基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても課税事業者となる場合があります。個人事業者の場合はその年の前年の1月1日から6月30日まで、法人の場合はその事業年度の前事業年度の開始から半年間、この期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、その課税期間から課税事業者となることとされています。